香取市佐原という街には意外なほどラーメン店が少ないように感じます。
町中華もあるしチェーン店もある。さらに独特な居酒屋ラーメン文化もあるし。
けれどこの町の規模や歴史だったらもっともっとあって不思議ではないです。
特にラーメン専門店、平成以降のスマートな「中華そば専門店」が。
しかし、やっとみつけました。
それが「レニー食堂」。
※この記事はコロナ感染以前に書いたものです
佐原駅の北、徒歩5分。
ここを左折。
とても飲食店がありそうな場所ではなし。
一見どこ?というふう。
ある、ここだ。
ラーメン専門店にはちょっと見ではわからない。
無論、わざとでしょうけど。
サーフィン。
レニー・クラヴィッツ、高倉健。
じゅうぶん覚えのある時代感。
ロック。
カラーリングも時代ですね。
80、90年代。思い出の時代。
クエンティン・タランティーノ?
さて、ラーメン。
まずは基本からいきましょう。
特徴的なのは焼きそばがあること。これは次回にチャレンジ。
ワンタンそばもあるんだ。
餃子もまたの機会に。
中華そば。
焼豚ご飯。
では、いただきます。
中華そばと名乗る場合、イメージとしてナルトと海苔は必須。
中華そばらしい香りがします。
逆に、そんなには意外性があるわけではなし。
なるほど輪郭がしっかりしたスープだ。
これはかなりレベルが高いんじゃないかな。
思った以上に油が多く、ゆえに簡単には熱さが下がらないのはいいですね。
スープに熱さがない中華そばなんて、スピードがでないスポーツカーみたいなもの。
自家製と言われる麺、これはどうなんでしょうか。
加水率から今の流行りと言ってしまえばそれまでだけど、
私が記憶としてある程度イメージがある本来の中華そばはこれではない。
昔がどうこうではなく私も今の時代の人間にならないといけないな(笑)
これはこれでコシと風味は美味なる麺なのですから。
ややスパイシーな焼豚ご飯。
見た目と想像が同じだったから特に驚きはなかったかな。。。
オーソドックスなメンマとチャーシュー。
正直な感想です。
スープ、具材、麺、どれも破綻ない中華そばです。レベルも実に高い、
しかし「レニー食堂」だからこその味をまだまだ表現できていない気もします。
素晴らしいバランスなんだけど、なんか予想範囲内なんですよね。
驚きがないというか。
バンドがスーパーになっていく過程では先人たちのコピーから始まり、
その繰り返しから自分たちのオリジナリティが確立して育っていく。
そのオリジナリティこそが言い換えれば「主張」、さらにクセという味。
パーフェクトに調律されているのも大切だけどどっかとっぱずれているのもロック。
レニー食堂の中華そばの伸び代は、予想がつかないアドリブにあるんじゃないかと。
例えば、メンマ、チャーシューなんかもっと食い込めるはず。
細かい話だけど、ネギなんかはこんなに当たり前すぎず、
これぞレニー食堂のアドリブ的な薬味というものがきっとあるはず。
もうひとつ。
佐原や香取という地域を味方につけたいですね。
野菜でもいいし、肉でもいいし、先ほどの薬味、なんだったら油茂のラー油でもいい。
「風味」っていうものは本来土地柄の味だし、
わざわざこの土地に訪れる誘因にもなるはず。
なんでもいんですよね。ほんのひと工夫あれば。
レニー食堂は、もっともっと化けてくれる気がします!