コロナも落ち着き、この夏に向けてアウトドアレジャーもさらに活況になるでしょう。
いっぽう近年とても気になるのが高まる夏の猛暑。
今シーズン、気象庁の長期の見立てでは本来なら冷夏になりやすいエルニーニョ現象のなか、
本年は様々な外部要因から平均気温が「平年並み」か「高い」という予測も出ています。
こういったことが続くなか、キャンプではより熱中症対策をより真剣に考える必要性が高まっています。
その一つの解決策可能性を示しているのがポータブルエアコン。
すでにポータブル電源が数多く普及しその選択肢が増えた今、
さまざまなポータブル電子機器がアウトドアにおける新たな可能性拓いている時代です。
「アウトドア、キャンプに電子機器??そもそも違うんじゃないの」という向きもあるでしょう。
それはそれとして理解するとして、いっぽうでは気候変動による環境がいやおうなしに変化するなか、
静かなる電気使用のムーブメントにも目を向ける必要があるかと思います。
とまぁ・・堅苦しい話からスタートしてしまいましたが(笑)、
せっかく得られたいい機会として、ポータブルエアコンの実力を探ってみようじゃありませんか。
「EENOUR ポータブルエアコン PA600」
最新のポータブルエアコン(スポットエアコン)をキャンプサイトで試してみました。
基本、出来る限り忖度なく書いていきます。
まずはその本体の大きさですね。
素直な第一印象で言えば、
「モノとしては決して小さくはない。逆に考えればこの大きさでエアコンが成立しているのがスゴい」
でしょうか。
重さは13.8kg。持てない重さではありませんが10kg超えですから軽いわけではないです。
ソロキャンプ用のシェルター「ONETIGRIS SOLO HOME STEAD」の前に置くとこんな感じ。
※多少の遠近感はあります。
WEB上で見るより実物のがスタイリッシュに見えますね。
正面から。
側面。
ちょっとしたところにデザインの妙があります。
背面。
実はのちに使用した時にも思ったのが、イメージとしてクルマのエアコンに似ているということ。
それはエアコンですから当たり前なんですけど(笑)、
まるでインパネからごっそりエアコン部分を抜き出した感じにも思えてきました。
特にこのルーバーがそう思わせるポイントかな。
さらには上部スイッチ類もどことなくクルマ的な。
そういう風に考えると、ポータブルエアコンという個別のものという認識ではなく、
エアコン部分をクルマから抜き出してきた?みたいに思うとなんだか身近に感じるようになります。
小物入れ的なスペース。
実際はもっと付属品が多いので、事実上リモコン入れくらいな感覚でしょうか。
さて実際に使用をする場合、大きく二つの設置方法があり、
ダクトを前面に取り付け、このダクトで冷気を送り込み、エアコン本体を離して使う方法が一つ。
その場合このように冷風ダウトエンドをまず装着。
そこにダクトを装着。
※このダクトは蛇腹なのですごく伸びます。
しかしこの方法だと、例えば冷風をテントやシェルター内に送る場合、
本体が外部にあることから直射日光を受けることになり、それは厳しいのかなと。
無論木陰であるとか、タープ下にあるとか日光を避けられれば別でしょうが。
それに手元で操作できないですし。
よくあるスポット冷風機はこの使用方法ですよね。
もうひとつが背面にダクトエンドを設置する方法。
これはもうエアコンそのものとしての使い方。
上部が熱風の吹き出し口。
下部が吸入口。
使用時にはこのダクトグリルを接続します。
接続方法に最初手間取りましたが、基本時計回りにねじ込むだけ。
何回か試してみたところ、最初の蛇腹を少し広げるとねじ込みやすいですね。
ゾウさん並み(笑)
こんなに長くなるんだぁ。
ではシェルター内に設置してみます。
いろいろなことを考えてみると、やはり直置きはしない方がいいかな。
しっかりしたテーブルの上に置くのが高さも出ていいんじゃないですか。
と、その前に。
エアコンから直差しではなく、この48Vのアダプターをかまします。
これが割と大きいかな。
本体とアダプター接続。
そしてポータブル電源と接続。
ちなみに、今回使ったポータブル電源は私物で、518Wh/162000mAhのものです。
こんな感じの設置。
付属の排水用ドレンも接続し、こちらもシェルターをくぐらせて外部まで伸ばします。
小物入れのふたにも使われていたハニカムがちょっとおしゃれ。
一畳半くらいのスペースの中でこの大きさですから、わりと現実的なのかな、と。
もし、ソロテントで使うとなればかなりスペースを食うのは仕方ないです。
逆に広めのシェルターだったら全然気にならない大きさかも。
ドアを閉めて準備OK。
ただ、これで分かったのは当然ピッタリ閉まらないので密閉性に問題が出ますね。
このあたり、設置の工夫が必要だなぁ。
では運転開始。
スタートボタンを押すと、ちょっとおしゃれな「シュン」というアラームが鳴ります。
そして温度と風量を調節。
いきなり冷え冷えはなんなので、27℃から始めます(設定は16~31℃の選択可能)。
そのかわり送風はMAX。
実は、、、この日夏でもないのになかなかの暑い日で、実験にはピッタリ。
外気温で32℃、シェルター内はご覧の通り35℃(汗)
やっぱり。。。イメージはクルマのエアコンです。
冷風の出方は、オートで最初にビューっと回る感じにほぼニア。
気になる音のレベルは、これもクルマのイメージです。
本体から出る音はさすがにコンプレッサーが無音とはいかずそれなりにはあるけど、
例えば異音のような感じではないし、ポータブルということを考えればここまで抑えてあれば立派じゃないですか。
ただし周囲から全く気にならないレベルとはいえないので、
他のサイトに方への配慮を十分に考えたうえでの設置や操作は必要になると思います。
30分経過で2℃減少。
たったそれだけと思われるかもしれませんが、体感はもっと劇的に変化を感じてます。
なにしろ幕一枚で強い日差しを遮っているなか、よくぞここまで温度を落とせたもんです。
いやー、大したものですよ。
当たり前ですけど、エアコンの真横に座っているのでスポット的には完全に30℃以下の体感です。
立ってしまうと頭部のあたりはそれなりに暑いですが、
ずっと立ってるわけではないので(笑)それはいいんじゃないですか。
ほんと、大したものです。
いっぽうで、ここまで全開パワーを強いるとなるとそれなりの消費はするわけで、
ポータブル電源のフルから30%減りました。
これは最も過酷な中のことだから仕方ないですね。
もしポータブル電源で使うのであればそれなりの高容量のあるものがいいでしょう。
そこで、エアコンの配置を変えなおかつサイトのAC電源に切り替えてみました。
やはりこの方は安定するし、タダだし(笑)
エアコンを別位置に配置。
うーん、どうしてもスカートの部分に空きができてしまう・・・
そこで応急措置としてハンマーを重し替わりに置いてみました。
本当なら別の方法もあるのでしょうが、今回はあくまでも応急で。
それでもかなり隙間は無くなっています。
効果はあります。
曇ってきたこともあってこの時間は日差しが落ち着いています。
木陰の下みたいな感覚で今度は試してみましょう。
スタートは30℃。
ちなみに横にあるのが専用リモコンです。
本体かリモコンの操作で30分単位、8時間までのオン/オフのタイマー機能があります。
さらには冷え過ぎの自動停止も備わっています。
まずはこんな温度設定で。
風力も強めで。
ルーバーを色々変えてみるとどうなるのかなとやってみましたが、
あまりこれでシェルター内全体が何かが変わったということはないです(笑)
もちろん、直に風が当たるようにすればえらく体感は涼しくなるのでルーバー自体は必須。
おっと、なんと5分で1℃下がりましたね。
これはなかなか早い。
体感でも涼しさを享受できています。
そこで、一気に20℃設定、最強風を試してみました。
何せサイト電源使ってますから安心(笑)
おお、さらに5分で27℃へ。こりゃすごい。
しかしここまで強くすることはいなと思い、25℃で中風レベルに切り替えその後を過ごしてみました。
28℃に戻ってはしまたものの、十分快適度合いは保っています。
湿度計を使わなかったのではっきりとわかりませんが、
やはり湿度が下がった感じがしてその解消がすごしやすくなっていると思われます。
なので、接続したドレンからはそれなりに水が出るので、
排水の場所がテントなどに影響ないようよく考えておかないといけませんね。
今回の撮影に関して協力してもらったのは千葉県香取市にある、
「農園リゾート THE FARM」内の「農園のなかのキャンプ場」です。
大型テントでも余裕で張れる広大な区画です。
ウッドチップも撒いてあるので排水も良好。
お湯も出るし、温泉も場内にあるし、ビギナーのファミリーキャンプにはもってこい。
平日のソロキャンプもいいですよ。
なんといっても「農園のなか」というのが最大の特徴。
そののんびり感、カントリー感がウリ。
専用の炉があるので、収穫した野菜と一緒に焚き火料理が楽しめます。
さて、改めて「EENOUR ポータブルエアコン PA600」を使っての感想です。
ぶっちゃけ、なめてましたね(笑)
ここまでの能力があるとは思っていなかったです。
最初のほうにも書いた通り、イメージはクルマのエアコンです。
そう思ってもらえれば、得られる価値が分かってもらえると思います。
無論そのものではありませんから、あくまでもイメージ、いうなれば延長線上ですかね。
ですのでその性能を保つための大きさはあります。
よく考えてみれば室外機と室内機が一つになっているのだからある意味驚異的なコンパクトさ。
ちなみにサイト上に書かれているところでは
パナソニック製の7.5cc冷気排気量を持った2気筒式コンプレッサーを採用していますので
冷風能力が史上最強で1.758kW(6000Btu)達成
という諸元で書かれています。
問題は車載と、そしてキャンプ場内のマナーのことでしょうね。
本体だけでなくダクトなどの付属品もあるので、それなりな荷室等にスペースが必要です。
質量的には大型テント1個分以上。それを確保すること。
またキャンプ場内での使用に関しては音の問題、特に夜間の配慮が必要です。
まずは隣接のテント、リビングスペースとはしっかり離すこと。
尚且つ使用に関して周囲に了解を求めるなど、コミュニケーション無しで使うのは避けたいところです。
さらにはキャンプ場のルールとして、エアコン使用の項目はまずないにしろ、
騒音に関してのことは書かれていますから、それに反しない必要があります。
冒頭に戻り、今後アウトドアやキャンプ場における熱中症対策は不可欠になってきていますので、
こういったポータブルエアコンは今後かなり普及していく可能性があります。
もしかしたらキャンプ場そのものが貸し出しとして機器を備える、なんて言うこともあるでしょう。
正解がどこにあるということではなく、アウトドアにおける様々な選択肢がどんどん増えていっており、
今回もその検証としていい機会を得ることができました。
この機会をいただきましたEENOUR様、そしてエキサイトブログ様に感謝申し上げます。
↓ こちらも商品内容参考になります。