おそらく町中華を巡っていなかれば、
地元民でない限りまず訪問の対象にもならないし、
実際に行っても「ここは避けよう」と思ってしまうかもしれません。
そのぐらいのディープさを兼ね備えた、
静岡県下田にある「中華料理 北京亭」
何か独特な雰囲気を持っています。
私にはそれが魅力となりなぜか印象深く記憶に残っています。
右奥に見える伊豆急下田駅から歩いていくと5分少々。
なんともクラシックなたたずまい。
昔のアパートがこんな感じでしたよね。
味わいのあるいい暖簾です。
ラーメン、餃子、これを見ちゃうといくしかないかな。
この看板にも歴史が詰まってます。
これまた「らしい」町中華の店内。
そして実にクラシック。
浅草の昔の中華料理店の記憶とリンクします。
赤い内装と丸椅子、壁のカレンダー、角のテレビ、漫画、スポーツ新聞、、、
町中華たるすべての環境用件があります。
さてどのメニューにするか。。。
デーブルにもメニューがありましたね。
常道だったら初めての店はラーメン、チャーハン、餃子なんだけど。
ここではちょっとだけ違うものを選ぼうかな。
焼きソバも候補だけど、今日はなんとなくタンメンにしてみよう。
厨房はベテランの女性二人。
途中出前の電話があったけど出かけたのはそのうちのお一人。
ホントにこのお二人だけでやっている様子。
タンメン。
見た目はとてもオーソドックス。
そしてこれははずせないと思った餃子。
ではいただきます。
あ、この麺いい。
細縮れながら強いコシがあって、スルスルいける。
餃子もきれいにまとまっています。
見た目からもわかるように、ニラの味強め。
餃子の餡がニラとバチバチ闘っているくらいの刺激があります。
クセ強めなので多少好き嫌いは分かれるかもしれないけど、
私は個性的で気に入りました。
最初の一口より食べ進むうちに輪郭がさらにはっきりしてくるスープ。
これ、アタリだったかも。
もうここからは勢いよくすするだけ。
夢中に餃子を頬張るだけ。
ごちそうさまでした。
周囲は住宅以外何もなし。
町中にある、町のための町中華。
この日も近所の人、会社帰りの人、
ここに住む町の人だけの場所でした。
ちょっとだけ旅人としてお邪魔させていただきました。
出前、ご苦労様です。
伊豆急の始発が出発。
こういう踏切も見なくなりました。
わたしの勝手な偏見ですけど、踏切の近くに町中華あり。
旅先で、また一つ旅情ある町中華に出会えた気がします。