町中華の一大系譜である「生駒軒」。
私も四ツ谷勤務時代その一軒にとてもお世話になりました。
今は残念ながらなくなってしまいましたが、
もしかしたら過去最も食事回数が多かった町中華は
その生駒軒だったかもしれません。
そんなこともあり久々に「生駒軒」に行ってみたくなり、
浅草の「中華料理 生駒軒」へ出かけてみました。
やはり歴史ある店舗なのでここにもベテランのご主人が。
賑やかな浅草と通り一本隔てた雷門1丁目。
この十字路を右へ。
まさにもう「町」。
ティピカルな、東京都内の町中華の風景ですね。
四ツ谷もこんな感じでした。
私の説?が正しければ、
「町中華は3階建ての1階に存在する」(笑)
登録商標「生駒軒」の正式なマークがあります。
そして老舗町中華の証したる半円暖簾。
細長い店舗。カウンターと2人掛けテーブル3つ。
こうみるとご家族で来る場所ではなく、
そういう大人数なら出前、そんなふうになっているのでしょう。
番付なんかがあるのがまた浅草らしい。
メニューではなく「御献立」。
これ以上ないくらいの町中華らしい品揃えですね。
さすが生駒軒。
さらにはとてもありがたいセットも。
そうか、カレー。
私が勝手に定めた「町中華三種の神器(ラーメン、チャーハン、餃子)」に次ぐ、
「町中華四天王(タンメン、中華丼、カレーライス、ソース焼きそば)」の、
カレーライス。
そして基本のラーメンも食べたい。
「半カレーラーメンセット」850円。これにしよう。
ご調理されていらっしゃるのはベテランなご主人。
とてもテキパキとうごいていらっしゃいます。
こういうちょっとサービスがまたうれしかったり。
このサービスもありがたい(笑)
半カレーライス。
ああ、これですよ、これ!
町中華のカレーの典型じゃありませんか。
にんじん、玉ねぎ、豚肉、福神漬け。
パーフェクトです。
ちょっとカメラの具合で黄色みがよく出ていないので・・
iPhoneで撮った画像がこれ。
そうなんです「黄色いカレー」なんです。
懐かしい。
でも「懐かしい」という印象だけで、本当に懐かしいわけではないです(笑)
しかし私の小さい頃の外食カレーは確かに黄色いものが多かったのも事実。
そしてラーメン。
これで「半カレーラーメンセット」
いただきましょう!
しょう油がキリリとして、甘い油の香り。
東京のラーメン、ってまさにこれですね。
麺も東京ラーメンのスタンダード。
これ以上でも、これ以下でもない、ちょうどよさ。
そしてカレーライス。
スパイシー云々とかは無縁でもっさりはしているけど、
この優しい味わいこそ町中華のカレーライス。
シャーシューは小さめだけどうまみ十分。
メンマもよく煮てあります。
そしていつのまにか夢中で食べてしまうんだよなぁ。
ごちそうさまでした!
来てよかった!
こちらのご主人は見るからに明るい方で、お客さんと接するときはニコニコ。
ところが調理となると一転真剣なまなざしに。
町中華のベテランの素晴らしさのひとつがこのモードチェンジ力。
これがなかなか真似できない。
町中華という規模の小さい店だからこその接客と調理というまさに二刀流。
もちろん寡黙で調理にだけ打ち込んでいるかたもいらっしゃいますが・・
さらにはここのご主人もそうで、
出前も加わる三刃流をこなす方はもうスーパーマンの域。
浅草らしい洒落っ気。
以前に行ったことがある他の生駒軒にもまた巡ってみたくなりました。