「名曲喫茶」というジャンルになかなか出会うことがなくなりました。
名曲喫茶とはオーディオシステムでクラシックを流す喫茶店のこと。
ただ、自らが名乗らないけど実質の名曲喫茶は意外にあったりします。
奈良市の「珈琲屋 Cafe エル・ムンド」はまさしくそれ。
小さな喫茶室なれど、いい音、いい曲を聴かせてもらいました。
※ちなみに本日4月13日は「喫茶店の日」だそうです。
近鉄奈良駅すぐそばの「ひがしむききた」商店街。
ひがしむき商店街の続き。
「きたまち 青空テラス」という名称でもあるんですね。
商店街に入って1分。
ちょっと目だつカラー。
「珈琲屋 Cafe エル・ムンド」
スペイン語で「世界」の意味。
フランスの「ルモンド」と同じですね。
「日常から離れた特殊な空間」
楽しみだなぁ。
これは古い!!
オットー・クレンペラー。
今日のサービスは「グァテマラ」。
これしかないな。
うーん、渋い。
こういう喫茶カウンターも少なくなったなぁ。
その角に座らせていただきました。
これは・・すごいぞ。
やばいほどのオーディオシステムだ。
落ち着いて音楽に浸りたいならこちらなのかな。
メニューはオーソドックス中のオーソドックス。
ジュース系は無し。
これはいいコーヒーだ。
一杯のコーヒーを同じ飲むなら、
こういうクラシックなカップで飲みたい。
スタバしか知らない若い子たちも、
こういうカップで出す店に一度行ってほしい。
きっと気に入るはず。
実は開店直後でまだオーディオはセットアップ中。
これ、分るかなぁ。
今みたいに電源オンだけではダメなんです。
そして5分後にレコードの針が落ちます。
スピーカーは世界の名品「ソナス・ファベール」の「アマティ・オマージュ」。
値段で音が決まるわけではないけど300万はするはず。
こんな名品の音を聴けるなんて・・・
うわ、なんたる分厚い音。
色々聴かせていただきました。
おなじみサラサーテのツィゴイネルワイゼン。
ゾクゾクしますね。
プリはマッキントッシュのC22!!!!
そしてパワーアンプはなんとマッキントッシュ M225!!
素晴らしすぎる。
ほんと、ゾクゾクするんです。
目の前に演者がいるかのよう。
いかにデジタルの音は「作り物」なのかが分かります。
それがいけないというわけではなく、
オーディオの音も一度聴いてほしいなぁ。
音楽をバックに奥様とじっくりオーディオ談義をさせていただきました。
私は現役ではないので昔話として。
それはもうすごい造詣が深いこと。
女性の口から「長岡鉄男」という名前を聞くとは思いませんでした(笑)
大変ごちそうさまでした。
たいていの場合町喫茶にては店主とはお話ししないのですが、
今回ばかりはどうしても話したくなってしまって。
この45分間、まさに特殊な空間にいたような気がします。
この看板からはあのけた外れのオーディオがある
名曲喫茶だとは一般の方は気付かないでしょうね。
というか、お店側がそれを押し出していないわけだし・・
いい喫茶店だったなぁ。
今度はもうちょっと長くいたいなぁ・・