ガロ「学生外の喫茶店」1972年 昭和47年6月発売。
作曲家されたすぎやまこういちさんが先日他界されました。
90歳。なんといっても世間的にはドラクエの音楽で著名でした。
私はそういう印象があまりなく、むしろ作曲家としてすごくテレビで見た人、そういう印象です。
このもじゃもじゃ頭でサングラス。一度見たら忘れない。
いろんな音楽番組や、クイズ番組にでておられました。
しゃべりもすごく上手で半分タレントといってもいいくらい。
いっぽう作曲家としては「恋のフーガ」「花の首飾り」「亜麻色の髪の乙女」など大ヒットを連発。
筒美京平さんとらとともにヒットを生む職業作曲家だし、いかにもな曲がずらり。
ところがところが、、、、この「学生街の喫茶店」、それらの曲とは全く違うテイストだし、
しかもレコードB面の曲だからかもしれませんが、かなりテキトーに作った感じ。
しかし、そのシンプルさというか、売らんがなのあざとさが全くなかったのがよかったともいえそうです。
この重苦しいメロディはどう考えても当時のフォークシンガーソングライターが作りそうな曲。
ザ、ザ、ザ、ザというギターのストロークもそうだし、
すぎやまこういちが得意の明るく流れるようなメロディとは全然異なります。
しかし売れました。
もともとB面だったけど、吉田拓郎が「こっちのがいいじゃないか」と深夜放送で紹介したのがヒットしていった原因だともいわれています。
学生街の喫茶店というのは誰もが思い出を持つ場所。
その当時にして、いまでいう「共感」で広がったのかもしれません。
あのものがなしげな曲調も。
個人的には、すぎやまこういちといえば「帰ってきたウルトラマン」
ウルトラマン史上最高に美しいメロディじゃないでしょうか。
すごくわかりやすいメロディのなか、途中で微妙にリズムを変えたり、
そして最後の「ウルトラマーン」のところのハモリが特に美しい。
イントロのあの初代ウルトラマンをほうふつとさせるベースライン、
エンディングのドラミングも実に素晴らしい。
すぎやまこういちさんの最高傑作と言ってもいいんじゃないでしょうか。
そして・・・・「復活のイデオン」
正直これがすぎやまこういち作曲とは全然思っていなかったというか、
当然何回もOPを見ているのにどうして長く気が付かなかったんだろう。
数あるアニメの中で珠玉のテーマ曲の一つじゃないかと思われます。
まず、まさかのアルペジオスタート。こんなアニメの曲はないでしょう。
ところがそこからいきなりタイトがリズムになり、マイナーな曲調へ。
そしてサビはメジャーに戻り、最後はドラミングで〆る、実に味のある展開。
言い方わるいですけど明るい軍歌みたいな。
アニメ、映画のサントラもすばらしく、ここにドラクエのエッセンスがあったといっていいくらいです。
ご冥福をお祈りいたします。