いいラーメン、いいお店、に出会えた気がします。
「らぁ麺 ひなた」
ひとことで言うなら「優しいラーメン店」ですかね。
決して見た目だけではなく、それ以上の「実」がここにはあります。
場所は姉ヶ崎。
特に周囲に何かがあるというわけではない、町ラーメン的存在。
ほぼ見た感じは「自宅」(笑)
雲のイラストが可愛い。
さらに白い暖簾がさり気ない。
店内は独特の雰囲気。
こういう時は経験からして大当たりか大はずれかのどちらかだったりします(笑)
男くさい感じとはほど遠い空気感。
実に独特です。
なんとなく温室のイメージなのかな。
5周年なんですね。
系統的には、清湯スープと白湯スープの二つ。
その2系統にまた3種のスープがあるという複雑さ。※黒だしはお休み中。
今日は気分的に「白湯」だなー。
特にその気にさせてくれたのが「ホワイトクリーミィー ぱいたん」という名前。
白湯はそもそもそういうものですけど(笑)
さらに面白いのがワンタンが2種類もある点。
しかもミックスでたのめるし。
よし「ミックスわんたん ぱいたん」これにしよう。
! これは、、、美しい。
実に計算されているビジュアルだ。
メンマ。
ワンタン。
薬味。
どれも気を使って盛り付けられています。
このわんたんの盛り付け方が秀逸。
薬味の盛り付けも絵画を描くよう。
では白湯スープから。
あ、いいなぁ。すごくいい。
白湯は時に重くしつこさが気になることがありますが、
このスープはもっと軽く、かといってコクがないわけではなく、
雑味がなく品があります。
作り手のセンスが一口目からわかろうというもの。
麺も良くあってる。
無理矢理な主張があるわわけではないけど、無個性でもない。
見てください、きれいですね。
点心のごとく丁寧に作られています。
味もそれに見合って上品。
肉の方も上品。
海老とは個性が分けながら両方とも味わいが違います。
個人的には海老に軍配かな。より旨味がきわだっているかんじですね。
メンマも個性的。
優しい味付け。
チャーシューも優しい味。
とことん何から何まだで優しい。
別な言い方をすると「余計な力が入っていない」
ころこそが「ひなた」の魅力ではないかと。
薬味もうまく効いています。
このスープには玉ねぎがいい塩梅をしてくれているし、
普通は余計とも思われるカイワレもここでは名脇役を演じています。
たいへんごちそうさまでした。
女性店主だからという色眼鏡でみてはいけません。
けれど、この「ひなた」に限っていえば女性店主だからこそ良さ、それに溢れています。
男性が作るラーメンはいい意味で無骨だし、
いくら繊細に作ってもどこか尖っているものです。
それがこの一杯にはまるでなく、みごとにカドがとれているのです。
なるほど、このラーメンをいただい後の気分は、
まるで日向ぼっこをしたときのよう。
激しい太陽に晒されたあとではなく、
とてものんびりとした気持ちになれます。
「有名店」と「いい店」のちがい、それは「いい店は」さり気ないこと。
ギラギラした太陽の光なんかより、さり気ない日向のほうがいい。
私にとってのいいラーメンは、優しさがつまったこういう一杯です。