
町中華を多数巡った中で、この「中華食堂 コナン」は、
非常に強い印象を感じたベスト3に入るかも。
店構えもそうだし、店内もそう、そしてその味も。
いい店を探し当てたなぁという悦びは今をもって変わらず、
とても重要にしている「後を引く」感じがずっとが続いています。
それは求めるべき町中華像をここに感じたからかもしれません。
*緊急事態宣言以前の訪問です
市原の市街地。周囲はそんなに賑やかでもなく。
コナンにたどり着く手がかりは、唯一の目印はこの八百屋さん。
この脇の道へ入ります。
本当にあるのか??
あった(笑)
街ではなく、まさに「町」中にある、リアル町中華。
独特の店構えが素晴らしい。
「中華料理」ではなく「中華食堂」という名称にも味がありますね。
今や文化財ともいえるショーケースがあるのもうれしい。

町中華のショーケースでは当たり前のカツ丼。
中華だろうがなんだろうが元々出前の店にはカツ丼は必須なんでしょう。

赤い色こそあまりないけれど、町中華の空気感十分。
唯一、町中華らしくないのは画像のメニュー。
ポスター状の冷やし中華ならありますけど、
こういう写真付きというの極めて珍しい。
それでも壁メニューは健在。
これで「らしく」なりますね。
丸まってちょっと読みづらい(笑)
ということで、手元のメニューでじっくり悩もう。
チャーシューワンタン麺にして750円。
うーん、迷う。
こういうのもあるぞ。
うん、この店であればやはり定番攻めだな。
「名探偵コナン」はさすがにない(笑)
町中華の場合、喫煙が暗黙の了解になっているところも少なくありませんが、
この店ではしっかり「禁煙」を掲げているのは立派。
半チャーハンセット
むむむむ。
これはいい。この眺めはとてもいい。
まさに町中華そばではないか。
けど、ワカメはいらないんだけどなぁ(苦笑)
見るからに期待が持てるチャーシュー。
スープをまずひと口。
沁みる。これぞ、町中華のラーメン=町中華そばのスープだ。
何かが強すぎもせず、何か抜けたところがあることもない。
塩梅がいいとはこういうことか。
ああああ、パーフェクトな町中華チャーハンじゃないか!
ネギ、ナルト、チャーシュー、玉子、グリーンピース。
ザ・チャーハン。
ああああ、味も期待通りだぁ。
直球ど真ん中。
あまりにも当たり前すぎて、かえって心に強く響く。
うん、やはりうまい。
締まりすぎても、柔らかすぎもしない、
実にバランスがとれている。
こちらのご主人、相当ウデのある人なのかも。
なんだろう、食べながらどんどん笑顔になり、
残り少なくなってくるとどんどん寂しくなっていく。
ごちそうさまでした!大満足です。
いい器だ。
この器もいい。
ご夫婦二人で秘かに営まれています。
久しぶりに、私なりの隠れた名店と出会った気分です。
周囲に特に何もなく、唐突にあるのが町中華の本領。
駐車スペースはギリギリ2台分くらいあります。
大型車では遠慮した方がいいかも。
中国八大料理のひとつ「湖南料理」
本来なら「中華食堂 湖南」なんでしょう。
しかし敢えて「コナン」としたことがこの店を際立たせています。
中華食堂という冠もいいですね。
私は、町中華の料理だけを探し求めて「町中華紀行」をしているのではなく、
さまざまな町中華を風情と料理を、旅をしながら探していく、
そんな気持ちで続けています。
この「中華食堂 コナン」はその旅情をおおきく搔き立ててくれました。