週末の私的昭和歌謡コレクション その⑰は
実に夏らしい、西城秀樹「聖・少女」 1982年(昭和57年)6月発売です。
あれ?どんな曲だっけ?そう思う方も多いでしょう。
オリコン最高9位。大ヒットではないけれど、スマッシュヒット。
実は・・この曲以降ベスト10に入ったことがありません。
今思えば「アイドル西城秀樹」としては最後の曲で、
この後、「大人のボーカリスト」へ変貌していった、そんな感じがします。
作詞は前回の「君は天然色」に続き松本隆。
やはり”らしい”ですね。
「八月の波を水鏡にして
お前はルージュを海に投げるのさ」
このワード選びとセンテンス、どこをどうひっくり返しても自分には出てこないです(笑)
作曲は吉田拓郎。
この曲やキャンディーズの優しい悪魔などを聞くと、
吉田拓郎に「フォーク」の冠が付いていることが全然間違っているのがよくわかります。
めちゃめちゃポップス。
この曲の一番の聞かせどころは
「お前の気持ちが読み切れないよ」の最後に得意のFmが一節はいるところ。
こういうのが本当の拓郎節でしょう。
編曲は瀬尾一三。
編曲者として何千曲?何万曲?の中でもこれはベストテイクの一つと言っていいんじゃないでしょうか。
「セイエイエイエイ」のところのハンドクラップなんかいいですよねー。
気になったのはエレキギター。
フレーズといい、音といい、これは松原正樹さんじゃないのかと。
それこそ歌謡曲の参加は3万曲ですから、そうだとしても何の不思議ではないはず。
昭和57年の紅白の模様ですかね。
オリジナルよりずっとテンポが走っています。
それにしてもこの歌唱力はなんたることか。
バックの大物歌手たちがてらいなく笑顔でノリノリ。
無理矢理やらされている感がなく、いかにこの曲がフツーにノリがいいのかが分かろうというもの。
みんなに慕われていたんでしょうね、ヒデキは。
いまや生歌で「聖・少女」を聴くことはできないのがとても残念ですが、
夏になるたびに「セイエイエイエイ」が必ず頭に浮かぶこととも思います。