
「閉店の名所」に、バババっと開業した「ラーメン たかし屋」。
約1か月が経ち、予想に反して(?笑)大人気です。
平日を見ればワーカーに大人気、週末は家族連れに大人気。
正直意外でした。
元々そんなに興味がそそられてはいかかったけど、
こうなってくるとなんで人気なのかちょっと興味がわいてきました。
ということで、土曜日の昼に訪問。

この場所は「魔の〇〇地帯」のごとく、
出店した店がことごとく短期でなくなるという特異な場所。
そもそもは空き地か簡易な駐車場とかであったように思います。
それを整備して最初に出店したのがセブンイレブン。
別に周辺コンビニとの過当競争とかはありませんでしたが、
あっという間になくなりました。実に不思議。
その跡地に彗星のごとく現れたのが名前の通り「いきなりステーキ」。
しかし、グループの出店過多が問題になってきていきなり閉店。
ここまで来たらだれも手を付けないだろうと思いきや、
千葉の家系「増田家」擁するマスミフードサービスが
まさかのセカンドブランド「たかし屋」を投入してこようとは。。。

ぶっちゃけまた閑古鳥でそう長くはないとタカをくくっていました。
ところがどっこい、いつ前を通っても駐車場はいっぱい、
行列も見られるほど。これは意外です。

しかも真ん前にはフードサービス系「横浜家系ラーメン 吟家」があり、
類似の店をここにぶつけてきたのにもビックリ。
立地はともかく、吟家はそれなりに定評を得ていたわけだし。

さて、メニュー。
たかし屋はけっこうオリジナルメニューを持っているはずと思いきや、
スタート時点はほぼオーソドックス。
ラーメンは大きく2種、そしてチャーハンか白飯。

牛丼チェーンなどで常道のU字カウンター。

コロナありきでもあり、一蘭的な要素もある、個別カウンター。

コップが通常の2倍の大きさ。
むしろこういうのはありがたいんですけどね。

その他テーブル席が4つ。
シンプルな内装だけど、家系が持つようなガテンイメージがなく、
これならば多くの人が入るのにそんなには抵抗がないでしょう。
まずこの清潔感というか、明るいイメージが成功要因の一つかな。

ラーメン大、麺硬め。

見た目、家系でしょ、ということにはなりますが、
店としてどこにも「家系」とは謳ってはいないし、
書いてある通りに言えば「豚骨醤油ラーメン」。

増田家とはちがうバラチャーシュー。

この構図だけ見れば家系ではあるのですけど。

軽めなのかと予想していたら、案外そうでもなく、
かといってヘビーではもなく、中庸中の中庸。
この味がこの店で作られいるとはなかなか思えず、
おそらくはフードビジネス特有のセントラル方式なんでしょう。
かえってここまでクセをなくせているのは、
店頭で作られていないからかもしれません。
でも、そのことを否定しているのではありません。
逆に言えばあの強烈な匂いで避けている人のほうが大多数なので、
「あれじゃなきゃ」というフリークの方が総体ではずっと少数のはず。
この店の狙いからすれば正しい選択ではないでしょうか。
※セントラル方式かどうかはあくまでも想像の範囲です。

麺も同様。
以前、いわゆる食品産業の展示会に行ったんですが、
それはもうびっくりするほどの業務用のスープと麵があって、
どれを食べても不満がまずでない見事な優等生ばかりでした。
そういう時代なのでめったなことで変なものは出てこないです。

ちょっとオリジナルな感じを醸し出しているのは、
この「ピリ辛」で、どことなく「寒ずり」思い出させてくれます。
ぜんぜん別物ですけど、方向性が似ているというか。

家系のノーマル豆板醤は場合によってスープをぶち壊してしまうけど、
この「ピリ辛」はかなり上手に塩梅されます。
かえって「秘伝のタレ」のほうがバランス崩れました(笑)
まぁ、でもこればかりは好みの問題ですから。

さすがに麺2玉はキツい(笑)
スープをこれ以上呑むとあとでのどが渇くので今日はここまで。

このティッシュ、そもそもは誰が発明したのかわかりませんが、
真上にこれがあると本当に助かります。

結局、なんで人気が継続しているのかわかってきたような気がします。
まず「家系」ネガティブを排除したこと。
屋号に「家」もないのもそれでしょう。
強烈な豚骨臭も皆無、店が明るく清潔感が漂う。
店員さんもそれっぽいカッコウではあっても、
脂の床を長靴で滑ってくる?ガタイがいいおにいさんがいるわけでもない。
実際のラーメンも「それ(家系)っぽい」けど、クセをうまく消している。
そして、チャーハンがあるというものポイント。
家系は白飯で食べろ!という強迫観念(笑)もない。
ギョウザを扱っていないので、オーダーと提供のつっかかりがない。
そして家系有名店あるあるの駐車場不足じゃないから、家族で気軽に来れる。
そもそも「家系」に行くではなく、「ラーメンを食べに行く」という、
シンプルな選択肢にさせているのがこの店なのでしょう。
ラーメンは、正直多数の場所がマニアのものになっています。
どこか目をぎらつかせながら求道者のように食す人たち。
が、自分の家族を見ても女子なんか全然そんなこと思わないし、
子どもたちはまるで興味ないこと。
実際私は開店直後3番手でしたが、
その後はどんどんファミリーが列をなしたし、
驚くことに高齢の方が何人も来られました。
期せずして、ファミレスならぬ「ファミラー」という
ど真ん中のくじを引いたのがこのたかし屋だったのかもしれません。
そのポジションは今まで「来来亭」や「魅力屋」だったりし、
豚骨醤油ではありそうでなかったブルーオーシャンであったのかも。
なので「家系」と謳う吟家に真正面でぶつかりつつ、
でも「家系ではない」とハスに構えたのがよかったかもしれません。

このシステムも結果ファミリーには選択しやすいし、
お父さんも遠慮をせずに(笑)「大!」と頼めますからね。
私は今、町中華を追いかけていますが、
同様に町の人に愛される「町ラーメン」は存在し、
それはシンプルな個人の、歴史ある店がほとんど。
外食チェーンとしてなにか深い考えがあったかは知りませんが(笑)、
案外肩の力を抜いた店というのは思う以上にウケることがある、
そんな気がします。
今回訪れて「旨い!」とは思わなかったけど(笑)、
でも再度行かないかと言うとそんなことはないです。
たまに、こういう力が抜けた店に行きたくなったりするもんです。
ラーメン通の人がここにきてああだこうだと味を評論しても意味ないでしょう。
「ファミラー」なんだから。