
町中華のラーメンって、最近よく麺屋系で使われる「中華そば」とも、
ラーメンの原型たる「支那そば」とも言い難いし、
かといってラーメンとだけいうとあまりに広範囲だし・・
そこで、町中華という新しい言葉を借りて、町中華におけるラーメンというのは、
「町中華そば」
といってみてはどうでしょう。安直だけど(笑)
「町中華そば」は、
・濁りの少ないしょう油色のスープ。背脂は浮かない。
・チャーシュー、メンマは必須。ナルトと海苔は準ずる。
・青磁か、雷紋、龍、鳳凰、双喜の絵柄がある切立丼か高台丼で供される。
・ラーメンとして、クラシックすぎることもなく、かといって流行も追わない。
・専門店ほどのこだわりはない(笑)が、一杯を大事に作られている。
ちょっと多めですが、これらが条件でしょうか。
そんな典型のひとつが、南越谷にある「貴陽軒」のラーメンでした。
私は青年期を東武伊勢崎線(旧名)沿線だったので、
この東武線新越谷駅に交差するような武蔵野線南越谷駅の存在が不思議で不思議で。
なんでわざわざ別の駅にしてしまったのかと。
北口を右に折れて数分、いや数十秒かな。
そこに、めちゃ不思議な空間が。
「南越谷ゴールデン街」
飲み屋さんがずらり。
その中にあって唯一の中華料理店。
この場合あまりにも駅には近いけれど駅前とは言いづらく、
かといって住宅地でもない商業地域なので、
私の勝手な区分けで言えば「街中華」ですかね。
それはともかく店構えはまちがいない「町中華」
ほほー、中華に混じってミックスフライ定食なんかがあるのも、
町中華らしい。
うわ!味のある店内。
なんといってもユニークなのが赤に緑のテーブルのライン。
店内全体にその赤とグリーン。
灰皿がテーブル真ん中にドンとあるのは、嫌煙組にはつらいところ。
えええ!?
なぜに駒田、松原(なつかし!)からの祝い鏡?
極めて標準的な町中華メニュー。
裏面も同様。
そうそう、壁メニューもありますからね。
「半チャーハン・ラーメン」がある。
これは基本2品いけるし、今日はラーメンははずしたくない気分なので
これにしよう。
店内に店名というのは珍しい。
登場が早い!
閉店間際だったのでお客さんがいないとはいいながら
感じからいったら「あっという間」。
半チャーハンの大きさではないような(笑)
しかもえらく左に寄ってる(笑)
もちろんキッチリなってる方が望ましいけど、
このあたりは町中華として許容範囲としましょう。
冒頭に上げた「町中華そば」条件オールクリア。
ちょっとしょっぱい。
これはたまたまではなく、この店の味?かな。
そこを除けば誰もが思い浮かべるあのスープの味。
麺も典型。
軽い縮れ麺こそ「町中華そば」=町中華のラーメン。
締まりに締まったモモチャーシュー。
ではチャーハン。
場合によっては他の店の1人前といってもいいくらい。
こちらも少ししょっぱい。
ただ我慢できないかといえばそれほどでもないかな。
そこを除けばアツアツでハードなこういう店らしいチャーハンでしょう。
さりげなくフタをあけておいてくれるコショー、
お水のお代わりなど、気を遣ってもらえたのはうれしい。
あー、ごちそうさまでした!
750円でこれは立派です。
このご時世なので20時閉店。
実はまだいけると思い餃子なんかを追加しようと思ったのですが、
「ごめんね、火落としちゃった」とのこと。
しかたないか。
のれん、雑誌、テレビ・・・町中華の風情ですね。
「貴陽軒」
他では見ない名前。
「キヨウケン」という読みが重要なのかな?
他の店の灯りも消され・・・
東武伊勢崎線は今は「東武スカイツリーライン」。
大きなターミナル駅になりました。
実はこの南越谷には気になる町中華がもう一軒あって、
そこにはいずれ訪れたいと思っています。
貴陽軒
ジャンル:中華料理
アクセス:JR武蔵野線(府中本町-南船橋)南越谷駅北口 徒歩1分
住所:〒343-0845 埼玉県越谷市南越谷1-26-7(地図)
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