しかし、そこに自分の知らない事実があった。それは自分がある二つの部門の役員から同時に『引き抜き』にあっていたということだった。その狭間でどちらに行くか結論が出なかったということらしい。ひとつは昨年出来た開発部門、ひとつは今回新設された戦略部門。どちらも戦略的ITインテグレーターが必要となっていて、会社の外でそれを習得した人間、つまり自分に対する引っ張り合いの調整をさらに1ヶ月をかけてするという。
ある意味光栄なことではあるが、正直ものすごいストレスでもある。現在は会社のWEBマスターに任じられているが、そのようなことも含めて今までに無い「フリーランサー」として期待していると社長は言う。どうせ失うものはもう無いので、すべての部門をブレイクスルーするフリーランサーになれるかどうか、これはもう引き返せない賭けになるかもしれない。