
*緊急事態宣言以前の記録です
ご存知でしょうか、大阪駅のおいしい逸品
「水了軒 八角弁当」を。
私がこれを知ったのは社会人になりたてかそのあとくらいで
山本益弘氏の著書「考える舌と情熱的胃袋」の文章とイラストが初見です。
その後大阪出張となった時勇んで購入。食べてなるほどと思いましたね。
記事内容に引っ張られたわけではないにしろ、
それまでただただ貪り食うだけの(笑)駅弁を、
味わいながら食べることを覚えたのがこの八角弁当でした。
ところがその後急に見かけなくなり、もうなくなってしまったと勝手に思い込んでいたら、
なんと現在普通に売っているではありませんか。
約20年ぶりの再会。歓喜、感激です。
購入できたのは新幹線大阪駅コンコースにある「デリカステーション」
ど真ん中にドーンとあるので迷いません。
なにげなくお弁当を選んでいたとき、
「水了軒 八角弁当」という文字とサンプルを偶然発見して
目を疑ってしまったほど。
なんと普通に売ってる。
どうも・・・一端に目にしなくなっていたのはこんなことも起因していたようです。
ともあれこの八角(はちかく)に再び出会えたことに何よりも感謝。
キャッチフレーズは「なにわ名物」「老舗の味を引き継ぐ大阪割烹弁当」
ああ、これだー。
これです。記憶が蘇ります。
とても品数が多く、見てすぐわかる通り煮物がほとんどで揚げ物が一切ありません。
このあたりが「割烹弁当」を表しているように思えます。
左の仕切りに、烏賊雲丹焼、里芋の煮物、そら豆、生酢。
左の仕切りに、高野豆腐、昆布の煮しめ、人参、筍の煮もの。
中央の仕切りに、赤魚味噌祐庵焼、出汁巻玉子、大白花芸豆、
海老、いんげん豆、鶏の煮物、茄子の含め煮。
まずは赤魚味噌祐庵焼。なかなか上品に仕上がっておりこのお弁当のシンボル的存在。
海老もよく味が含んでおりいいメイン食材です。
なんといっても美味しいのが煮物類。
だし汁の風味がしっかりあり、しょう油味もきつくないのでしみじみ美味い。
なかでも一番よかったのがこの茄子の含め煮。
もっと欲しかった!
鶏煮物もしつこく無く上品。
生酢もきつくなていい合いの手でした。
ごはんが美味しくなければお弁当は意味なし。
そういう意味でじゅうぶんに水準以上なので他のおかずが引き立ちます。
果たして以前と同じであるか、そこは間が空き過ぎているのでなんともいえませんが、
それを抜きにして今一度ひとつのお弁当としてみた場合でも
とても優れた駅弁ではないかと再認識いたしました。
当たり前過ぎる長方形型でなく、
この「八角」というのも特別感がありますしなにか旅情を盛り上げてくれます。
いろいろあったようですが、ふたたびこのお弁当が気軽に買えるようになって、
大坂からの帰りが少し楽しくなりました。