わざわざ行くことに価値があるラーメンのお店ってあるんですよね。
味だけではなく、そこまでの行程、店のロケーション、店自体がユニークなどさまざまな条件が重なるお店。
今回おじゃました「西山屋」まさしくそれでした。
だいたい飯能自体行かない場所なのに(笑)、
飯能合同庁舎なんてさらに・・(笑)
最初の目印はまずここ。
あまりに住宅地過ぎて、この緑色くらいしか目印なし(笑)
住宅地に全く相応しくないこの幟を探すべし!
Googleマップに従わない限り絶対にここまで来れないでしょう(笑)
ある意味それが楽しい。
こんなところに急に出てくるラーメン屋さんなんて、お目にかかったないなぁ。
周囲を配慮して、飲食店感をほぼ消してますね。
それがまずいい!
ラーメンとは一言も書いてない。
!!
石窯が。
ラーメン店に石窯、
もしかしたら世界初?
少し入りづらい感はありますが・・
入ってみれば、全然敷居が高いお店ではありませんでしたね。
Aux mains agiles
なんと、フランス語!
オー・マン・アジル でいいのかな。
が、中身は純ラーメンメニューで安心(笑)
これかなと思いつつ、やはり値段にビビり(笑)やめました。
ノーマルな「石釜あご出汁麺」にします。
しかしよーく字を見ると、石釜あご出汁ってめちゃ変な日本語(笑)
「石釜で焼いたチャーシューなどが乗るあご出汁麺」が正解(笑)
しかもこの場合正しい漢字は「石窯」
なぜなら、窯は字を見ればそのまま「羊を火にかける穴」、一方釜はこれまた字のごとく金属のカマのことだから、石の釜っていうこと自体おかしいくらい。
まぁ、そんな堅苦しい話は横に置いといて・・
おっと、サイドメニューに目を奪われた!
炙りの対極「レアチャーシュー丼」気になる。
席で待っていたらご主人が、「炙るところ、見ますか?」と丁寧にご案内してくれました。
へー、ほぼピザ焼きスタイル。
というか、まさに窯ですからね。
ほぼ数十秒で焼き上がり。
目の前の缶を見ればわかるようにピザも焼かれるようです。
と言ってる間に到着。
3種の炙りチャーシューが乗る、
あご出汁のラーメン。
このスープは旨い。
濃厚ラーメンがばかばかしく感じる、品格あるスープ。
しかし変に主張してはいない。
この麺も、麺だけならさほど特徴を示さないが、このスープありきで活きています。
素晴らしいラーメンには大きく2種類あって、
①麺とスープ、それぞれがしっかり主張はするが、バラバラにはならない
②どちらも前に出ないが、忽然と一体化している
で、このラーメンは珍しい①と②の中間。中間というより、高次元なハイブリッド。
軽い燻りが上品なベーコン。
バラチャーシューは味わい深く口溶けました。
どの店でも感じてしまうのは、カイワレは彩り以上にはラーメンに良きことを与えてくれない、ということ。
上品に作られたスープに、この軽い苦味は寄与しないはず。
同じスプラウトならまだブロッコリーの方が邪魔にはならないはずなんですが。
レアチャーシュー丼。
生ハムのようなしょっぱさがなく、こちらは薬味とタレと実に良いコンビネーションでした。
また、この量だからこそで、丼いっぱいだったらこの後味にはならないでしょう。
ほー、これは楽しそう。
山椒ベースのペースト。
へー、いい味変の種だ。
柚子胡椒ベースは少し当たり前かな・・
ごちそう様でした。
堪能しました。
あ、やはりピザも焼かれていてテイクアウトできるようですね。
とてもラーメン店があるように見えない住宅地です。
それにしても暑い(笑)
おいしいラーメンは旅をしながら。
他人の感じた味だけの評価や星の数ばかりを全てにせず、
「わざわざそこに行く」価値も享受すれば、より一層一杯に深みが出るはずです。