梅雨がなかなかあけませんね。
来週にはそうなることを期待しています。
個人的に、雨は大っ嫌い。
若いときは好きでした。雨キャンプなんか平気のへでしたし。
でもある時を境に大っ嫌いに。
嫌いというよりそのことで生理的に受け付けなくなってしまった、といってもいいです。
それが何なのかは別にして、雨の歌はすごく好きなものがあり、それは変わりません。
特に「Rainy Days and Mondays ~雨の日と月曜日は」です。
これ、カーペンターズであまりにも有名ですけど、
本当はポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルズの曲。
この二人の作品はなんと言ったらいいか「詩的」そのもの。
詩と曲の一体感が本当にすごい。
そう考えると、この難しい歌をここまで自分のものにしてしまうカレン・カーペーターの歌唱力もものすごいですね。
この詩の世界観を一人ミュージカルのように表現してしまうのですから。
そのれにしても美しいメロディライン、美しい声。
そしてポール・ウィリアムス本人。
やっぱりなんでしょう、この世界観。
本人だから当然ですけど、本人にしか出せないこの世界観。
カレンのような歌唱力とは全く違う表現力といったらいいのか。
誰にも出せないこの味わいのある歌い方。
言葉的に合ってるかわからないけど「置手紙」のようなさりげなさ。
そして、同じくポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルズの作品と言えば・・
「愛のプレリュード~We've Only Just Begun」
カーペンターズを代表する名曲ですね。
カーペンターズの中でのハーモニーではピカ一。
リチャードの才能発揮と言ったらいいでしょうか。
それにしても「愛のプレリュード」という邦題のつけ方が上手い!
直訳すれば「二人は始まったばかり」、でも邦題のがやはりタイトルらしい。
なんでしょう、この世界観。
歌が上手いわけじゃないのに。
また彼独特の「譜割り」がありますよね。
詩人が口ずさむような。
時々音が消える編曲も素晴らしい。
こちらは逆にポール・ウィリアムスから聴いてみます。
「愛は夢の中に~I Won't Last a Day Without You」
名曲ですね。
あまりに名曲すぎて、ダイアナ・ロス、バーブラ・ストライザンド、なんと日本ではオフコース、まさかの椎名林檎にまでカバーされています。
この曲に関していえば、カレンはカーペンターズというより、
ポール・ウィリアムスの世界観の延長線上で歌っていますね。
あの情緒がきっちり出ている感じがします。
前半はやや抑えめで、サビはガラッと変わってキュートで跳ねるような歌い方。
そして最後の「without you」のほんの少し擦れる低めの太い声。
カレンはなんという素晴らしいボーカリストなんでしょう。
そしてこれ。
アート・ガーファンクル「青春の旅路~Traveling boy」
S&Gが解散してからのファーストアルバム「天使の歌声」最初のヒット曲。
ほんとうに天使のような素晴らしい歌声だし、
後から出てきますけど原曲とは違い、アートとしても珍しい力強いロック調というか、ものすごい歌い上げの歌唱力です。
実に感動的な後半の盛り上がり。青春映画のエンディングみたいな。
そして本家。
もしかしたらポール・ウィリアムスの世界観が最も出ているんじゃないかと。
アートの曲とは全く別の物語性。
聴いているだけで涙が滲んできそう。
詩が素晴らしく、本当に詩人の才能。
別のところで歌がうまくないといってしまいましたが訂正します。
こんな歌い上げ方されたら・・・
そしてこの独特の「譜割り」。
アートはある意味楽譜通りに歌っていますが、ポール・ウィリアムスのこの歌い方は楽譜にはできないというか。
桑田佳祐みたい。
最後はこれ。
私はポール・ウィリアムスという人を最初この曲で知りました。
なんだろう、ビートルズにも共通するような、ポップでカッコいい曲だなーっと。
「An Old Fashioned Love Song」というタイトルもシャレてる。
有名なのはスリードッグナイト版でしょうか。
実はこの曲はカーペンターズのための書下ろしだったという話もありますね。
ポール・ウィリアムス作詞、ロジャー・ニコルズ作曲というコンビの活動が目立ちますが、
ポール・ウィリアムス自身の作曲能力も素晴らしい。
オマケ。
これはちょっと笑えました。
まさかマペットショーに本人が出てくるとは。
しかも本人のマペットまで出てくるじゃないですか。
このビデオにもある通りこの曲も「雨」がすごく似合う。
またこの時だけの「譜割り」があって「ラァ~~~ブソ~~ング」というのが実にいい。
終わり方がまたよろしい。
こういうミュージックビデオってすごくいいなぁ。
(他に、ハリー・ベラフォンテ、ポール・サイモン、ジョニー・キャッシュなんかの大御所も出ているんですね)