「藤井聡太新棋聖にはその天賦の才を余すところなく発揮し天高く翔ける龍となり、将棋史に於いて今後だれもまだ見ぬ地平を、ときに孤独と闘いながらも勇猛果敢に切り開いていただき、いつまでも色褪せない名局を紡ぎながら、将棋という芸術文化の大輪の花を咲かせていただきたいと願います」
これは加藤一二三さんの、藤井棋聖戴冠後のツイッターです。
本当に素晴らしい名文で、近年これだけの豊かな表現を見たことがありません。
おそらく自分の通ってきた道に照らし合わせたものなのでしょう。
今では特殊なキャラ立ちの「ひふみん」として、最近知った人はもしかしたらご存じないかもしれませんが、
あの人こそは藤井棋聖のような衝撃のデビューを飾った人です。
その昔、実力制第四代名人・升田幸三が、「この子、凡ならず」と、
小学生時代のひふみんが指した将棋を見てそのように言ったそうです。
「神武以来(じんむこのかた)の天才」という凄まじいニックネームもありました。
本来はこういう名文を発する大天才なのです。
さて、私は将棋マニアでも何でもないのですが、
実をいうと囲碁も含めたタイトルマニア(笑)
誰がなんのタイトルを取ったかを50年近く楽しんでいます。
そのきっかけは囲碁の「本因坊」というタイトルで、
そのその昔、囲碁を少しかじった時、石田芳夫九段が「本因坊」となり、
名前がいきなり「石田秀芳 本因坊」と変名され、いったいそれは何故なのかに異常に興味を持ったからでした。
本因坊ってなんだよ?なんで名前が変わるんだ?と。
ネットがないのでそれを書籍で調べ、タイトルを全く思い出さないのですが、
「本因坊の系譜」とか「本因坊の運命」とかなんとかいう書籍を買いめちゃくちゃ読みふけたのが始まりです。
始まりはこれとして、いろんなタイトル名前がすごく格好良くて、
それ以来囲碁将棋のだれがどのタイトルを保持しているのかを知るのが楽しくて楽しくて・・
普通の方には全く意味の分からないフェチですね(笑)
だから好みもあって、〇大タイトルと言いながらも何となく別の格付けしちゃったりもします。
あくまでも私だけの主観。
将棋なら
名人、竜王、棋聖、王位、王将、王座、叡王
ですかね。竜王は絶対に「十段」のがよかったんですけどね。
叡王はいったいなんだよって感じです(笑)
ところがちゃんと7大タイトルには順位があって、
竜王、名人、叡王、王位、王座、棋王、王将、棋聖
これが公式の順位。その順位は格式ではなく契約金(笑)
なので藤井棋聖はまだまだ入り口のタイトルをつかんだだけという感じです。
いずれにしても名人と竜王は2大タイトル。
なので、藤井棋聖が「本当のホンモノ」になるのは名人か竜王になった瞬間ではないかと。
要するに豊島名人・竜王を破った時、ということになるのでしょうね。
いっぽう囲碁なら、
棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段が公式な序列。
なんと将棋では最下位の棋聖がトップ。これは不思議。
将棋での竜王の元の十段は囲碁では最下位。実に不思議。
囲碁には王将がないので、対するものが「天元」というのがちょっとカッコいい。
歴史的に言うと本来「本因坊」こそ名人なので、囲碁における名人とはちょっと違う「名人”位”」というタイトルの意味合いが強いのだと思います。
さて、藤井棋聖は今期何冠になることやら。あと3つ奪取できるチャンスがありますね。
ちなみに・・ひふみんが挑戦して取れなかった唯一のタイトルが「棋聖」。偶然ですかね・・