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【アフターコロナに向けて】キャンプ場経営をこう考える ~ケニーズ・ファミリー・ビレッジ 川口泰斗さん

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こちらの写真は台風被災後、復興の一歩としてハロウィンでキャンプ場とキャンパーを盛り上げられた際のものです


現在は我慢の時であると同時に、「アフターコロナ」をすでに視野に入れている経営者の方は少なくはありません。

それはアウトドア業界も同様であろうと思います。

中でも、消費財ではなく観光・宿泊を担うキャンプ場は、緊急事態宣言が出された前と後では100から一気に0になってしまいました。

むしろ3月初旬までは150%、場所によっては200%の予約率であったわけですから、

その急降下の率は数ある観光業のなかでも図抜けているかもしれません。


現在直面しているキャンプ場の問題と、アフターコロナ、またウィズコロナにおける経営の在り方について、

埼玉県名栗にある「ケニーズ・ファミリー・ビレッジ 川口泰斗さんが極めて明快に記されました。

ここにご本人のお許しを得てその一文を転記して皆様にご紹介いたします。




『 キャンプ場の経営についてあれこれ 』


  ※太字と色は私が記したものとなります

 台風19号の被災でリスクヘッジの重要性を体感していたはずなのに、新型肺炎によるパンデミックは中々にして想像し得ず、まだまだ未熟だなーと痛感しています。
 
 私が携わるキャンプ場2店舗は、4月7日の緊急事態宣言を受けて休業をしましたが、休業までのいきさつや再開への道のりのイメージをつらつらと記載していきたいと思います。長くなりますので興味のないかたはスルーしてください。。

 まずどんなことであれ、相対する問題の現状把握から。新型コロナウィルスとは、肺炎の諸症状と基礎疾患に紐づく合併症を引き起こすウィルスで、致死率は約2%、重症化率は約20%。ハイリスク要因は高齢者や基礎疾患者、喫煙者、妊婦、乳幼児など諸説あります。基本再生産数は1.5~2.5程度、接触8割減で再生産数を1.0未満にすれば感染数が減少するものと考えられています。潜伏期間は1-14日とレンジが長く、このレンジがこのウィルスを拡散させる所以となりグローバリゼーションと相まって感染拡大が世界で継続しています。また死亡者数は感染ピークを迎えた後も時間差で増え続け、医療崩壊を含めて課題を突き付けられています。またワクチン・認可有効治療薬も存在せず、早期の開発・承認が期待されています。

 さらに新型コロナの拡大は、私たちの経済活動をも大きく制限させています。実体経済と金融も混乱し100年に一度のリーマンショックを上回り、世界恐慌に匹敵する危機になるとも言われています。世界恐慌はアメリカのGDP半減、失業率25%、株価89%下落、ブロック経済を進行させ世界を覆う戦争への引き金となったともいわれているほどのクライシスでした。

 今回のコロナでそんな時代がやってくるのかはわかりませんが、過去に学びつつ未来を少しでも良くする方向に変えていくしかないのかもしれません。

 さて、今回のコロナショックで私たちの業界を取り巻く経済影響の本質は、外出規制による「需要の蒸発」がメインであると考えています。感染発生当初から、アウトドアはリスクが低くかなりの需要は存在していたため、感染拡大の間に、資金繰りや雇用が維持できれば終息後に景気はイの一番に回復する業界と考えています。

 外的要因のピークアウト(PO)の予測ですが、このウィルスには免疫獲得集団がなく、夏以降も感染が広がり続けるというのが概ねの見解かと思われます。第一に発生した中国ではピークアウトまで1.5ヵ月、武漢のロックダウン解除まで2.5ヵ月かかりました。中央強権の中国でこの期間ですから、欧州やアメリカにピークアウトはもう少し長くなって2~3か月かかりそうです。東京は4月7日に緊急事態宣言を発出しましたが、感染拡大ペースや終息時期も未だ不透明で予測し難く、キャンプ場の再開には複数のシナリオ用意しておいたほうが良さそうです。

①楽観:5月下旬PO、6月安定、7月中旬徐々に解禁。
②中庸:6月下旬PO、7月安定、8月中旬徐々に解禁。
③悲観:7月下旬PO、8月安定、9月中旬徐々に解禁。
④最悪:8月下旬PO、9月安定、10月中旬徐々に解禁。
⑤下限:9月下旬PO、10月安定、11月中旬徐々に解禁。
 

 また、実際の資金繰りについては不安なところもありますが様々な支援策や対策をフルに駆使して生き残りを図ろうと考えています。現在の活用できる支援策等の状況を纏めると以下のようになります。

①中小企業庁:持続化給付金(上限200万)
②中小企業庁:持続化補助金(上限100万)
③中小企業庁:IT導入補助金の活用
④厚生労働省:雇用調整助成金(休業手当9/10)
⑤従業員の休業
⑥埼玉県:埼玉県中小企業者支援金(20~30万)
⑦メインバンク及び日本政策金融公庫


キャンプ場の運営コストの最たるものは人件費(人件費率40%~100%)ですが、雇用調整助成金は緊急対応期間+100日分は助成の対象となるので社員は約8か月分、アルバイト1年分の休業手当はなんとか工面できそうでうす。先ほどのピークアウト下限シナリオ→11月までに営業再開できれば借金せずに行けるかな?追加の経済策がとられずリミットを超える場合は、借入や減給等も検討しますが、雇用維持は果たせるよう頑張ります。

 休業する理由はもはや説明する必要もありませんが、直接原因となったのは4月7日の緊急事態宣言でした。施設の来場属性が東京、埼玉、神奈川で9割超えていること、また全スタッフの40%ほどが高齢者や何らかの基礎疾患を抱えておりその安全確保、医療崩壊を含めた地域防疫の為、さらにはお客様とスタッフのリスク回避策が不十分であるとの認識からでした。

 逆に言うと、休業基準となった問題が解決されれば、再開への道となるわけです。アルバイトは既に休業し、一般従業員も本日から休業となりますが、再開の為の内的対策は概ね完了することが出来ています。また雇用調整助成金の特例措置の拡大によって、支払い率は少ないですが休業手当を捻出できる目途が立ちましたので、事業継続ができ従業員が再結集できれば、また多くのお客様をお迎え出来ると信じています。

 施設の再開は一律ではなく、環境や客数見込によってリスクは異なり個別判断となるとおもいますが、「非常事態宣言の解除」と同等に「市場予測(世論)」を読み間違えないようにしないといけません。例え宣言が解除されようが、再開には錦旗を背負わなければなりません
 
 私たちが一定の基準をもって感染防止や地域防疫に万全を期し、一同が再開可能であると判断できるとき、ポストコロナの世界に新しい一歩を踏み出していこうと考えています。

 多くの方々とその歩みを共に出来たら幸いです。耐えていきましょう。



川口さんとはすでに懇意にさせていただいておりますが、

常に私が感心をしているのはその「経営を眼る目」です。

えてしてキャンプ場経営というのはオーナー個人の裁量によることが多いなか、

川口さんは「組織マネジメント」を重んじられており、

同時に「キャンプ場のフレームワーク」の在り方を常に考察されています。


昨年ガルヴィ誌で行った台風被災の取材の折、今後のキャンプ場経営について

「(被災の教訓を得て)この先、現場はホットに、経営はクールに行っていく必要があります」

とおっしゃられたことが忘れられません。

今回の文章もまさにそれに応じたものでしょう。


眼前の事象を分析し、短期には急速な対策を施し、冷静な中期の予測を立てる


隣国である韓国がコロナ禍を早期に乗り切っていけた過程には、

MERSやセウォル号の初動失敗の痛い経験があったからだともいわれています。



現在休業を余儀なくされ、この先を悩まれていらっしゃるキャンプ場経営者の方が多いと思います。

とても大変なこととは思いますが、アフターコロナにむけての最善の一手が講じられていくことを祈念しています。




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by sammag | 2020-04-21 00:05 | ☆キャンプ | Trackback | Comments(0)

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