一時期「五十番」とともに中華料理店の代表だった「来々軒」。
そもそも拉麺は、浅草の「来々軒」から始まったというあまり根拠のない都市伝説もあったりしますし、
穴川の「進来軒」、浅草の「来集軒」はその血を引いているという話など
「来々軒」という名前はラーメン界の神武天皇(笑)みたいなものなのでしょう。
そんな与太話(笑)は横に置いておいて、
私はこの日、「来々軒」を訪れ、四半世紀分の後悔?をしたのです。
なぜずっとスルーしていたのかと。
京葉道路でおなじみの宮野木から八千代台に向かう途中、
花見川周辺に用事がない人は一生通らない幹線道路(笑)
私たち地元民はよく通ります。
この建物、看板、それはそれは何度も見ています。
が、何故か寄ったことがありませんでした。
わざと避けていたわけでもないのですが。
あまりに町中華すぎたからかな。。。
電車の駅からは何処からもめっちゃ遠いこの場所、これこそ「町中華」
堂々としたお店です。
読むことさえ難しい暖簾ですが(笑)、
「中華そば」「昔ながらの伝統の味」などが書かれています。
しかしメニューでは「ラーメン」ですが(笑)
広い店内。
一見空いているように見えますが、たまたまこの時だけで、
次から次へと来店があり、いずれの席もとても高回転。
町中華には外せないメニュー表。
テーブルにもありますけどね(笑)
!!!!!!!!
なんでしょう、このプライス。
平成を通り越して昭和の値段じゃありませんか。
そしてこの品ぞろえこそ町中華の典型ですね。
「五目ソバ」「もやしそば」「カタ焼きソバ」
これがあるかないか大きい。
「ウマニ」言わなくなったよなぁ。
さて、そんな思いにふけっている場合ではない。
なににするかだ。
ご飯ものはすぐキマリ。
このラインナップであれば町中華の基本「チャーハン」でしょう。
しかし480円って。。。。
麺も食べます。当然です。
五目ソバ、いいなぁ。
チャーハンもそうしたようにオーソドックスであるべきならラーメンだよな。
が、ここは「ワンタンメン」にしよう。
ワンタンメンで400円台なんて見たことがない。
店内の活気が素晴らしい。
特にホールを任されている女性陣のテキパキさは実に秀逸。
素晴らしい町中華には、
①厨房の「カンカン」
②店員のテキパキとした応対とお客自身の会話
③そしてNHKののどじまん(笑)
この3大要素が一つになった最上のBGMが流れるものです。
ワンタンメンとチャーハン。
雑然の整然。
のぼりたつ湯気。
最近の能書きラーメン(苦笑)はこの湯気が立たない。
それなのに自己満足のインターフェイスにこだわる。
そんなこだわりはいいから、湯気立ててみろっていうんだ!!(笑)(笑)
おおおお、黒い!
これは特徴的。
予想を裏切る見た目ではあるけど、
この均一なごはんの並びを見るといいチャーハンだと分かろうもの。
まずはワンタンメンから。
伸びちゃうといけないので。
(「麺が伸びる」もいまや死語ですね)
パーフェクトな町中華スープ。
とんこつなのか鶏ガラなのか煮干しなのか昆布なのか、
そんなことを感じさせない(笑)あまりにも当たり前の味。
当たり前というのはつまらないという意味ではなく、
一番難しいど真ん中という意味です。
ワンタン。
これは少しだけケチをつけてもいいかな(笑)
ちょっと、茹でが足りなかった。
でも数は8個は入っていたかも。
本当に400円台なの??
素晴らしいのはこのチャーシュー。
これはちゃんとした叉焼じゃないですか!
味のしみ方、うま味文句なし。
作り方にこだわってると言いながら煮豚でごまかしてるファッションラーメン屋!、
ちゃんとした「叉焼」を作ってみろってんだ!
今日はこのパターンばかり(笑)
麺も町中華のそれ。
評論不要。
早く食えって感じ(笑)
この黒さ、もしかしたらあの叉焼だからじゃないかと。
なので味もオリジナリティありますね。
さくら漬けというのが泣かせる。
なんでこの店にずっと寄らずにいたんだろう。
八千代台にあった「福一」(珍来の派生)まで行っていたのだったら、来々軒のがずっと近いのに。
きっとどのメニューをたのんでも失敗がないんだろうなぁ。
禁煙ではないのはやはり制服の設備系の方も多いし、スポーツ紙を眺める一人客も少なくないからでしょう。
当然家族連れもたくさんいるし、若いカップルもいます。老夫婦もいます。
ここはみんなで場所をシェアしあうまるで社交場か公民館のような場所。
そういう位置づけの雰囲気を醸し出すのは相当な歴史を重ねてのこと。
町の人に愛され育てられてこその「町中華」。
今からでも遅くないからこのお店の正しいBGMを奏でる一員になりたいです。
ご馳走様でした。
私のような一人の人間にも、お店の方全員で「ありがとうございました!」の声をかけていただきました。
来々軒の本当の意味は知りませんが、これだけ次々とお客さんが絶えないと、
「来る来る」という願いを込めたものなのかなぁと思うわけです。
そしてその通りになっているわけです。
来々軒のすぐ手前にワークマン。
その先にあるのは・・・
ここには以前紹介した「ふる里のけむり」があります。
町中華と食堂。
いいですね。
お店の向かい側にも駐車場。
こういう舗装がされていない場所も今は貴重。
さぁ、また行くぞ!