この人を知らない人はいない!
松崎しげるとともに日本における「色の黒い人」のツートップですから(笑)
たいめいけん三代目 茂木浩司さん。
そこで供されるラーメンは3つの時代を跨いで健在の正統派です。
「たいめいけん」
外装は変わりましたが基本は昭和のころから一緒。
(笑)
店内も改装されてはいても、雰囲気は以前のまま。
昔からのお客さん多いでしょうから、そうそう派手にイメージチェンジできないのでしょうね。
私もこれで安心。
2階と違い1階は実に気楽。
何の気負いもなく入れます。
レストランではあっても気軽な洋食店。
たいめいけんの代名詞「オムライス」
技術料込みとはいえやっぱ高いなぁ。
それに比してほぼスタンダードな価格帯のラーメン。
私は500円の時代から食べているのでこれでも随分と高くなったなぁとは思いますが、
しかしこれだけは変わらず。
ボルシチ、コールスローともども50円。
私が知る限りずっと50円ですから30年以上変わらずの値段。
その分オムライスがだいぶ値上がってバランスとれているのかな(笑)
コールスロー
たしか以前は「酢油キャベツ」なんてここでも言われていたような。
でもこの料理はまさにそれ。
甘酸っぱさがほどよく、なじみやすいいい味ですよね。
隣の人がなんだか倍盛りみたいなものを注文していました。
あれどういう注文をすると出てくるんだろう??
ボルシチ
これを本格的なボルシチとするより、手軽なトマト味スープくらいに考えた方がいいですね。
さてラーメンが運ばれてきました。
たいめいけんトライアングル完成。
いいかえれば、たいめいけんトラディショナルトライアングル。
逆トライアングル(笑)
そういうわけではなくこの方が食べやすいので(笑)
何年も変わっていない姿、といわれますけどそんなことはありません。
海苔は途中から付け足したもの。以前はありません。
たぶん三代目の現代的イメージからのアイデアじゃないですかね。
初代の茂木心譲さんなら「海苔なんか乗せたらなぁ、スープの味が変わっちまうじゃねーか!」とか言いそう(笑)
この紅糟で色付けられた「叉焼」はまさに伝統。
さやえんどうが添えられているのは同じ。
スープは確実な記憶として同じかどうかなんて絶対的に言い切れはしないものの、
印象でいえばいつもたいめいけんは同じです。
他人の評価や、時代背景などさほどを気にしなければ、
私は東京で一番のスタンダードはここにあるとずっと思っています。
今回も味わってその気持ちは変わりません。
それはこの麺も同じ。
いつも同じことを繰り返してばかりいますが、
ここ10年のラーメンは「美味しすぎる」のです。
個性のぶつかりあいが激しく、なんだかM-1を見ているみたい。
主張は強いし、おもしろいとは思うのですが、磨かれた芸術性を感じないんですよね。
今流行っているラーメンが、このたいめいけんのラーメンのように、
30年経っても出され続けているものならいいのですが。
メンマと呼ぶより「支那竹」
筋張ったところがなくよく煮込まれています。
ごちそうさまでした。
こういうラーメンに郷愁を感じたり安定を求めたりするのは、
間違いなく老いた証拠。
若い人には興味の対象にもならないラーメンでしょう。
もちろん何かのきっかけで食べてみては欲しいのですが。
でもきっと「何にもおもしろくないラーメン」って言われてしまうかもしれないなぁ。
三代目はこの風貌でテレビやメディアに出まくっているけれど、
じゃあメニューをがらりと変えるかといったらそんなことはしない。
この人にはこの人なりの伝統の守り方があるんじゃないですかね。
※三代目は三代目というだけで、二代目が現社長です。
初代がラーメンを好き過ぎてつくってしまったラーメンコーナーも健在。
厨房を眺めながらのラーメンもまた味わいが違っていいものです。