東京百景

【Photo】築地「井上」の中華そばは、また蘇るのだろうか


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10月6日、築地市場がその歴史に幕を閉じる


昭和生まれの人間としては寂しさひとしおだ。



それ以上に寂しいのは、結局「井上」が帰ってこなかったことかもしれない。




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大学生の時、一番仲がいい友達の実家が月島だった。

何度も泊まらせてもらった。

今考えると、月島がもんじゃでブレークするなんて夢にも思わなかったが。



朝、ちょっと早く起きて築地まで歩いていく。


井上に行くためだ。

あの活気に会うために。



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80年代のグルメブームだった。

私もご多分に漏れずまぁ都内のあらゆる店に顔を出していた。




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ただ目指すは単に「美味しい店」ではなく、

幸せになれる空気感を求めてのことだったと思う。



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井上にはそれがあった。

早朝にラーメン店に人が押し寄せるなんて異様な風景。

異様ではあったが、確実にそこには幸福感が漂っていた。




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ご主人の動きを眺めるのも眼福。





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流れるような作業は見ていて飽きることが全くない。


いや、それを見ずにしてなんで井上に行く理由があるのだろう、

そんなふうにすら思っていた。



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無化調とかまだ関係ない時期で、

ぶんぶん味の素をしょう油ダレにぶっこまれていた。

当時はぜんぜん気にしない。

ま、昭和生まれの自分は今も気にはしないが。



何故かサービスされるヤクルト。



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2017年8月某日。

私は東京駅に仕事で滞在した。

陽が沈みかけた時、遠くに聞こえるサイレン。

しばらくすると煙が遠方に広がっている。

そして次々と飛来するヘリコプター。


それが築地市場の火災とも思わなかったし、

ましてやその火元がこの井上だなんて想像すらしていなかった。





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その日以来この光景は消えたまま。


そして、築地は消える。




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話しに拠ると、築地市場の旦那衆は井上を見捨てることなく応援しているという。





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チャーシューメンでもないのに、チャーシューで蓋。


それが井上のラーメン。



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濁りのないガラのスープのストレートなうまさ。

多少しびれる後味。

それでいい。


もし、化学調味料を一切否定するのだったら、

排ガスを出すクルマやタクシーにも一切乗るなと言いたい。


必要悪というものはあるものだ。



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ラーメンを立って食べる。

築地における、東京人の作法。



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市場は築地を去るが、この場は「築地魚河岸」として新たな道を歩む。


井上は現在その名前を消すことなく「休業中」となっている。


いつか、いつか、またこの光景がよみがえることを念じていたい。












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by sammag | 2018-10-05 07:00 | 東京百景 | Trackback | Comments(0)

ソトコト(OUT)もナカコトも(IN)も人生の扉(Doors)をまず開けて!アウトドアライター・キャンプブロガー・星のソムリエ SAMの人生キャンプブログ


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