こういうお店に会えるから、街との出会いに魅力を感じます。
岡山県奉還町の「中華そば 冨士屋」
創業昭和二十五年。
岡山駅から歩いていくと、駅から向かうその途中がもうなにやら特別な雰囲気が。
何かちょっと違う街のこの空気。
いやがおうでも期待が高まる。
改装されていても伝統を十分感じられる外装。
店内はそれほど広くはなく、カウンター数席と、
テーブル2席、お座敷4席。
これは想像なので間違っているかもしれませんが、この小上りは元々は地自宅部分ではないかと。
基本は中華そばなんですが・・・
この日、珍しく、本当に珍しく、気が変わって・・
私がメニューを眺めているとき、
ある方(お一人)が「えーっと、餃子3皿」との注文。
これには異常に心が動かされつつ、ぐっとこらえて我慢。
が、これは外せないでしょう。
Bだな。
三角なので「おむすび」。
ゆかり乗せ。
中華そばではなく、チューシュー麺。
初めての店でチャーシューメンを頼むのは自分としてはちょっと異例。
スープがかなり多め。
ゆえにチャーシューが沈み、さほど目立たず。
ねぎを増量することができる事実を後に知り、ちょっと後悔。
実はチャーシューはこんなに山盛り。
西日本では中華そばの代名詞、中細麺。
スープは生醤油が立ちすぎないやや甘め。
スタンダードゆえ特別な味とはいえないものの、たいへんバランスが整っていますね。
このバランスなくして「中華そば」とは名乗れないでしょう。
おむすびはゆかり部分だけ食べ、サラダにあった卵も取り出してあることへの準備。
こういうことです。
たいへん美味しくいただけました。
このあたりは「奉還町」。
大政奉還で失職した武士たちが商売人として再出発した街だったということ。
だからなのか、なにか雑然としたところがなく気位を感じます。
今や死語にも近い「倅(せがれ)」という店名も気になるし、
「B食」という表記も実に気になります。
この店名も変わっています。
モダンなお店もあるし、新旧入り乱れているのもまた面白い。
このギャップがすごい。
岡山駅前もこんな感じ。
岡山ラビリンス。