☆キャンプ

【日誌】星の好きな少女から教えてもらったこと


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「はい、星が好きです」


とても小さな朴訥に発されたひと言、そしてまっすぐな目。

まるで心をえぐられるようでした。



彼女は小学校高学年くらい。

まだ夕方の設営のころに一人でふらっと現れ、天体望遠鏡をキラキラした目で見ていました。



「今日は木星が見えるかもね」

「はい」

この時も多くを発さずこの一言だけ。やはりまっすぐの目で。



私はついうっかり業務的な感じでそんなことを言ったのですけど、このシンプルな返事にドキッとしました。


あんな「かもね」などとなんで無責任なことを言ってしまったんだろうか、と。

彼女の「はい」に本当に応えることが出来るのだろうか、と。




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20時からの「星空散歩」には最前列の、ちょっと遠慮がちな端っこに彼女はいました。

星の話を40分。

多くの覆った雲の中、途中木星の話をしていたときに急に光り出した一つの光。

それはまさしく木星。

彼女はまたもや目を輝かせ、軽く手を合わせていた様子がチラッと目に入りました。



終了直後みなさんの帰りがけにまたも木星が現れ、なんとか望遠鏡でその姿は見てもらえて少し安堵。




なんとなく全体が解散したあとも彼女は帰りません。

双眼鏡を片手にずっと木星の方向を向き、雲の間のかすかな光を探しています。

言葉は発さないその目はどこまでもキラキラしています。



「今日は木星が見えるかもね」

「はい」


彼女は素直にこのことを信じてくれていたのでしょう。

私は片づけをやめて、彼女に付き合うことにしました。

一緒に双眼鏡で探し、望遠鏡を向けていつでも見れる準備をして。

自分の放った言葉の義務を放棄すべきでない、と。



20分後、

「あります!あそこに」

間違いなく木星です。

どちらかと言えば物静かな彼女が興奮気味に。




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彼女と二人だけで木星を待ったあの時間。


星空案内人は私ではなく、間違いなく彼女でした。


いつまでもキラキラしながら星を待つあの態度と姿勢こそ、

星空を導く人の真のカタチ。

こんなに星を観るのを楽しくしてくれるあの素直な気持ち。



彼女には私が使っている星座早見盤を渡しました。

彼女から授かった授業への御礼です。

やはりキラキラしながら早見盤を回しています。



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それから30分後、10時過ぎに片づけを終えたころ、

すごく小さな声で後ろから聞こえてきたのが、おそらく歯磨きから帰ってきた彼女のひと言。

あまりに小さな声なので最初分かりませんでしたが、

よく聞くと「ありがとうございました。おやすみなさい」と言ってくれたようです。


きっときっと彼女はこの先今以上に素敵な女性になるでしょう。



キャンプと星。

まだまだ自分の中では未開発。


それでもこの日、また一つのキャンプの宝物が増えました。



キャンプも星も、私にとってはいつでも宝探しです。





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by sammag | 2018-05-13 09:37 | ☆キャンプ | Trackback | Comments(0)

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