こういう場所に、こういうお店があるなんて・・・
喫茶 月輪 –gachirin-
いってみました。
飯能は名栗渓谷沿いの県道70号線に、突然現れる異空間。
どうですか、この存在感。
誰がどう見ても周囲の民家と同列でないことは明らかです。
駐車場は道向こうの丘。
停めやすく5、6台はいけるでしょうか。
実際にはそんなに来たら店に入りきらないですけど。
欧州風の瀟洒な雰囲気が日本の農村風景にミスマッチ。
しかし、それは「日本の」とのことで、たとえば英国の北部の農村の道沿いに在ったら違和感まるでなし、ともいえます。
ガチリン
ゲツリンとは呼ばないのは
おそらく密教の「月輪観(ガチリンカン)」の略
「密教で行う観法で、心を月輪のごとく清浄・完全であると観ずるもの」
「密教の代表的観法の一。月輪の図の前に座し、自己の心と月輪の同一を観ずる瞑想法」
「仏の智徳が欠けることなく円満であること,衆生の菩提心などの象徴とされることが多い」
こういう由来を持つと考えれば、この店の在り方が伺えそうな気がします。
ちなみに、ゲツリンなら「月の環」という現象であって、満月でもあり、ツキノワグマの名にもある細い三日月を表す言葉でもあります。
3席あるテーブル席が満席だったので、カウンターへ。
この日は娘と娘の友だちを連れてやってきました。
彼女らはいわゆる「ラストJK」の本当のラスト。
来年から大学生になるオトナの階段一歩目のところ。
さて、時間的に12時なのでランチもしていきましょう。
フードメニューはこの日2種類のみ。
喫茶ですからね。
ということでその両方で注文。
「ちょっと時間がかかりますけどいいですか」
女性一人の切り盛りということで、まったくこちらはOK。
時期的に多感である娘たちは、この内装に眼をパチクリ。
カレーについてくるツナサラダ。
トマトチキンカレー
これは美味しい。
ちょっとスープ状なのはむしろインド料理のマサラ的。
昔ながらの喫茶店カレーとは対極的。
玄米ご飯との相性もバッチリ。
自家製パン&ツナトマトペンネグラタン&サラダ
この自家製パンは出色の出来。
こういう農村で食べるにふさわしいカンパーニュ。
窓枠という額縁にある「借景」。
ダージリン。
珈琲。
器という枠に映る「借景」。
この借景ごと「一服」。
帰り際にこちらを1種類ずつ買わせていただきました。
訪れるお客さんは様々。
ご近所の常連さんもいるでしょうし、場所柄ツーリングライダー、サイクリストもいるようです。
これは分かるような気がします。
無理にこれを冒すようなお店ではないので。
お天気のいい日、このお店で少々の時間を過ごす。
密教の瞑想とまではいかないものの、
気持ちは「ホッと」しました。