誰が何と言おうと「PRISM」が大好きです。
PRISMってなに?
大多数の方は知らないと思います。
日本を代表するインストゥルメンタルバンド。
日本のフュージョンミュージックの草分け、いや開祖。
今年40周年を迎えています。
その40年前、高校1年で買った1枚のアルバム。
それがPRISMのデビューアルバム。擦り切れるほど聞きました。
そして40年間常に1年で最も聴くサウンドであり続けるのもPRISM。
55歳を迎えた自分自身への誕生日プレゼントを考えた時に、今年こそはこれしかないと考えたのが
PRISMのリマスターCD4枚とDVD1枚でした。
PRISMデビュー以降の初期3部作。
やはりこの時期こそ PRISM と感じるファンが多いのは事実だと思います。
いやいやその後を知ってこそという人もいるかとは思いますが、
残念ながらこの3枚を超えるアルバムが出たとは正直いえません。
当時購入したレコードも、後に発売されたCDリマスターももちろん持っています。
ではなぜまた購入したかというと、これはSHM-CD、そしてボーナストラックがあるから。
PRISM【1977年作品】
和田アキラ(G)
森園勝敏(G)
渡辺建(B)
伊藤幸毅(K)
久米大作(K)
鈴木リカ (D)
1.Morning Light (Akira Wada)
2.Cycling (Akira Wada)
3.Dancing Moon (Akira Wada)
4.Love Me (Nobu.Yoshinari/Akira Wada)
5.Viking Ⅱ (Akira Wada)
6.Tornado (Akira Wada)
7.Prism (Akira Wada)
Morning Light
おそらく、PRISMを知らない人でもこのメロディはどこかで聞いたことがある、となるのはこの曲しかないでしょう。
名曲中の名曲。原題は 「Soft as a morning Light」
うん、この方がいい感じです。
1st.アルバムの最初の曲にして、PRISMを印象付けた曲。
ただ作者の和田アキラとしてはそんなにこの曲が好きじゃないのかなと思われます。ハード志向ですから。
Morning Light を名曲たらしめたのは、実は森園勝敏のサイドギターであり、それを含めたツインギターのアンサンブルではないかと思うのです。
左右チャンネルに分かれた対照的なギターワークに、その当時のギターフリークたちに大きなインパクトを与えていたはずです。
逆にその印象が強すぎたので、森園脱退以降どうしても何かのギャップをファンたちは感じてしまったのは否めないことと思えます。和田アキラ信奉者以外は。
Cycling
サイクリングを題材にした曲は世間的には意外にも少なく、この曲はずばりイメージを再現されている秀逸な曲です。
これもMorning Light同様、左右のギターアンサンブルがパーフェクトで、リズムワーク、ソロの入れ替えの際立ち、曲の臨場感、全くいうことなしです。こういう演奏が40年も前に、ベテランでもない20代前半の若者が作り上げたというのは驚異的です。
Love Me
こちらもPRISMを代表する名曲中の名曲。
歌も入っていますが、これも全曲を通せばインストゥルメンタルといっていいでしょう。
和田アキラのセンス、そして作曲能力、情熱的なギター、非の打ち所がないですね。
もちろんここでも森園のサイドギターが冴えわたっています。
ボーナストラックには
OUT OF BLUE
これは森園の曲としてその後大化けします。
ホーンスペクトラムを入れたバージョンが、あのズームイン朝のウィッキーさんのテーマ曲原型になるわけです。
ある意味国民的な知名度の曲が、実はPRISM時代に生まれていたのというのは意外な事実。
なかなかこの曲でのPRISM時代の演奏に巡り合えなかったので、この1曲のためにこのCDを手に入れたと思っても全然損はないです。
SECOND THOUGHT/SECOND MOVE【1978年作品】
和田アキラ(G)
森園勝敏(G)
渡辺建(B)
伊藤幸毅(K)
久米大作(K)
鈴木リカ (D)
1.Shake Your Head (Ken Watanabe)
2.Daydream (Katsutoshi Morizono)
3.Bang Your Head (Ken Watanabe)
4.Spanish Soul (Akira Wada)
5.Crystal Night (Daisaku Kume)
6.Slow Move (Ken Watanabe)
7.Beneath The Sea
Part I
Part II
Part III (Akira Wada)
満を持してというよりもあまりのファーストアルバムの反響に、急いで翌年に出すことになったと思われます。
純粋に2枚目ということではなく、実際には1st発売時には出来上がっていた曲も多く、相当に忙しい中で仕上げたアルバムだったかと想像します。
ところがふたを開けてみれば1st.アルバムをしのぐかというほどの魅力度。
ファンの期待を全く裏切らず、むしろ「そうきたか!」と驚喜したことでしょう。
まさかのホーンアレンジメント、メンバーの曲の持ち寄りで広がったサウンド、それでいて Spanish Soul、 Beneath The Seaで見せた和田アキラの凝縮した魅力。
特に Spanish Soul はPRISMファン、当時のギターフリークからしたら、ツインギターのこのカッコよさは涙ものであったと思います。
Slow Move
アグレッシブなPRISMでは異色のスムースジャズ。
セカンドアルバムにしてメンバーが曲を提供するようになり、これはベースの渡辺健の書いた曲。
ここでは森園がメイン。
レイドバックしたソロパートは森園だからこそで、この当時の和田アキラにはできなかったでしょう。
唯一登場するエンディングのソロでも明らかに急ぎ過ぎてそれがうかがえます。
ただサイドギターとしてのリズムワークは素晴らしく、この時代の和田アキラはどんな場面でも実にいい音を出しています。
Daydream
森園の代表曲。
その後のソロアルバムなどにも登場。
ただここでのアレンジは実はオリジナルではないようで、このアルバムのために再度編曲されたもののようです。
森園は全くと言っていいほどソロを弾かず、テーマに徹しているのが「らしい」ところです。
逆に中間でアップテンポになったときの和田アキラのソロがすごく気持ちよく、フランジャーの音色とともにこのバージョンのハイライト。
またエンディングのキーボードの掛け合いはツインキーボード編成のPRISMならでは。
ボーナストラックの
Slow Move take1
は待ち望んでいました。
本番テイク以上にジャズっぽく、森園のストラトの音色はこちらの方がさらに魅力的。
実にいい感じです。
全体が雑然としているのでこのテイクは選ばれなかったのでしょう。
さて、ここで前半は終了。
3枚目のアルバム以降の話は「その②」に続きます。