店名がないラーメン店。
お店のどこにも店名がありません。
場所は平和島駅から5分。
2階に掲げてある「(家庭料理)一番星」はどうも関係ないようです。
そして1階の店舗はこんなにごちゃごちゃしていながら、
店名の看板らしきものが一切ありません。
とはいうものの、ラーメン店と悟られないように看板を出さない一条がんこ系とはちがって、
だれがどう見てもラーメン店であることは全面アピール。
そこが一番不思議。
「とりそば」オシなことは分かりました。
「ヒョイヒヒヨイヒひょい」
いったい、どのような意味が・・(笑)
シムソバ??
これまたどういう意味??
メニュー構成はなんとか理解したものの、
何しろ表示がランダムすぎて迷う迷う(笑)
店主お一人で切り盛り。
変わり者的雰囲気ではなく、むしろ普通に丁寧で親切。
カウンター数席、テーブル数席、
小さいお店です。
たぶん居酒屋の居ぬきだからでしょうね。
店内のあちこちのメニューが不統一(笑)
まとめると、
①鶏そば系統(標準)
②シムソバ系統(変わりダネ)
③鶏牡蠣野菜系統(季節もの)
長らく迷っていたら、
「もしお迷いなら”鶏スペシャル”がいいですよ」
と笑顔で言われたので、それに従いました。
鶏そばというとどうしても白湯のイメージが強すぎるせいか、
しょうゆ系の色合いにちょっと「へー」
やはり神奈川に近いからか「家系」のその色に似ています。
味付け玉子、鶏雲吞、鶏シャーシュー、
薬味の刻み玉ねぎ、豆苗、削り節
鶏雲吞は雲吞というより水餃子といったほうがいいでしょうね、
いきなりピリ辛がくるのでちょっと面食らいます。
煮玉子もよくできて・・・
お、そうか!鶏スープに煮玉子、いわずもがなの親子ラーメンか。
これはなかなかいいスープじゃないですか!
鶏独特の粘りがありつつもベースのしょう油ともうまくバランスが取れていてくどいわけではないし。
よくある鶏系スープのイメージとは少し違ってオリジナリティを十分に感じます。
鶏チャーシューって、よく考えると変な言葉ですが、
煮豚ならぬ、煮鶏ですね。
味も含んでいい感じだとは思うのですけれど、
結果的にラーメンにかかっている削り節とこの鶏チャーシューがかち合っちゃうのがちょっと・・
麺の選び方もいいし、スープもいいし、
この店はいわゆる「隠れた・・」なのかもしれません。
店名は後に知ったのですが、
「〇平」「マルヘイ」「マルヒラ」いろんなうわさが飛び交っています。
当初から店名は決まっておらず、この噂の店名もまったくあてになりません。
しかもメニューも一定しておらず、店主はものすごい気まぐれな人なのでしょう。
これをいい加減だと思う人は思うでしょうが・・・
・・・私はなんとなく理解できる気がします。
本当にいい加減であればこんなバランスのとれたラーメンは作れないと思いますし。
店名はなくともちゃんとした仕事をしています。
たいていは店名に気持ちを込めてシンボルにします。
逆に言えばそれに縛られてしまいます。
この店主はそれがイヤなのかも。
京浜地区はどこも下町の風情を残していて、ほんのちょっといるだけで旅気分が味わえます。
本気で途中下車をしたことがないので、少しゆっくり回ってみたいものです。