『塩れもんバターラーメン』
一見奇妙なこの名前、決して名前倒れではない、なかなかのラーメンです!
こういう店とこういうメニューに、何の情報もなく出会えた時のシアワセは言葉にしがたいものがあります。
「焼肉・らーめん 十八番」
出会ったのは宮城県は仙台のお隣、古川。
駅から5分くらいの繁華街の一角。
やはり旅先の夜は、出会い系がおもしろい!?
先日の茨木「ゆうらい」に続き、自分の「鼻」で探したのでお店に入るのに興奮します。
ちょっとだけ店に入るのを躊躇したのは「焼肉・らーめん」となっていたので、
果たしてラーメンだけでも大丈夫なのかな、と。
恐る恐るで扉を開けてみると、めちゃくちゃな賑やかさ。
しかももう夜中の1時過ぎなのに。
ほどなく店員さんに「独りでラーメンでもいいですか」と聞くとすぐに「はいどうぞ」と。
さすがにテーブルや座敷には独りで座れないので、ちょうどカウンター席が空いたのでそちらの端っこへ。
店内の品書きはちゃんとラーメンから始まっているので、ラーメンのみでも別に問題なさそう。
しかもうどんやそばもある。
そしてひときわ異彩を放つ「塩れもんバターラーメン」
これしかないでしょう!
頼まなければ悔いが残る。
カウンターにあるメニューを裏返すと焼肉メニュー。
といってもテーブルで焼く焼肉ではなく、焼いて持ってきてくれるのですね。
お腹が完ぺきにすいていたら頼んじゃうんだけどなぁ。
このメニューでゆっくりと一杯やっている人半分、ラーメンのみの人半分、そんな感じに見受けました。
もうこの時間はいわゆる「〆のラーメン」を求めてきた方々のようです。
おお、これは期待できるビジュアル。
ある意味名前のまんま(笑)
でもそれが重要。
変にいじくりまわされるより、ストレートにチューニングされていた方が実は期待外れにならないことが多いですから。
果たしてこれがどうなるか・・
期待、期待。
実に透明なベースのスープ。
しっかりしている。
東北にありがちと勘違いしやすい魚介系ではなくストレートな動物系。
こねくり回していないのがたいへんよろしい。
チャーシューはシンプルなもので、これはこれで主張ししずぎずいいですな。
この「シナチク」はそんなには味が含まれていないのでパンチはゼロですが、
このラーメンにはバランスよくマッチ。
さて、塩れもんバターですが・・・
全体には「ほんのり」味がうつる程度です。
元のスープの味を殺すことなく、まさにしく「ほんのり」。
レモンだけだと塩とけんかしてしまうからか、
バターがいいつなぎ役になってくれ、
しっかりした「三角関係」が成り立っています。
これでいいですね。
バランスを崩してまで主張する必要ないので。
もしも東京でこれを出したら埋没してしまうかもしれません。
なにしろ東京の今のラーメンの味は厚化粧のオンパレードですから。
だからこそこの古川で純粋培養されいてよかったです。
ああ、旅だ。
夜中1時半。
元々賑やかな街とは思えないのに、なんで土曜のこの時間に人がいっぱいなんだろう。
おもしろいなぁ。
話は変わって、古川の昼間。
駅からはクルマで5分くらいにある「中華そば 尹呂葉」
話しに拠れば、県内では老舗の「いろは食堂」の系列になるとか。
後で作ったのではなく、元にあった蔵がそのまま店になったみたい。
お、割と余計なものがない。
期待できますな。
こういうところだと東京ではメニューにすらなくなるワンタン麺といきたいところだけど・・・
待て待て「得盛中華」とはなんだ。
得盛中華そば、と最後まで書けばいいのに(笑)
ここまで引き込んだらこれしかない。
出た。
鳥チャーシューに・・
豚シャーシューが組み合わさって「得盛」
計算上トクかはわからないけど、トクした気分になるということですね。
内容的には期待を裏切らない「中華そば」です。
ただ・・・ビビッとした発見はなかったかな。
まま、それはそれとして安定した味であることは大切。
古川かぁ、、、
自分で思って来る場所じゃないところが日本中でどれだけあるか。
それが何かの縁で訪れることになった場所は実に大切に思う。