孤独のグルメに登場したお店とか、美味しんぼに出てきたお店を、”登場以前に行ったことがある”というのはけっこうあります。
逆に、”出た店を訪ねる”というパターンはまずなかったのですが・・・
ここはどうしても行きたくて訪ねてしまいました。
千葉県は房総大原「源氏食堂」
孤独のグルメは営業マンのランチなので、有名店先にありきではなく、行った先の街の限られた時間で自分の嗅覚で店を選ぶっていうのはかっこういいですよねー。
例えビジネスであってもほんの少しの旅の気分にしたることはけっこう大事だと思うんです。
それもまた感性の研鑽です。
とても悲しいことですが、源氏食堂は閉店となりました。
いかにも房総の駅の風情。
左にいすみ鉄道、右にJR外房線。
駅前は派手な商店街もなく、観光の歓迎もなく、それはそれで実態の旅情緒があって好ましい気がします。
こんな魚屋さんがあるだけ。
まぁ、そうはいっても都心の魚屋さんに「いせえび」「あわび」なんて普通にはないですけど(笑)
こういう姿、ほんとにいい。
駅を出て左に曲がりもう100m先に源氏食堂は見えます。
まず迷うことはないでしょう。
駐車場はないと聞いておりましたが、やはり人気だからか6台確保したみたいですよ。
でも電車で来られたほうがいいと思います。
そう、メインはお肉屋さん。
地元の方にのちに聞いても、本当に町の自慢なんだそうですよ。
いすみポークは。
めちゃめちゃクラシックとか、レトロとかではなく、なんでしょう「昭和のスタンダード」ここにあり、ですかね。
さて、なにが源氏かといえば、おそらく「安房里見氏」が源氏流れということもあるでしょうし、いすみの自慢の「源氏ボタル」なのかもしれません。
この中から迷うのはやはり「ブタ塩焼きライス」「ポークソテー」「カツライス」だよなぁ。
目立たないけど「モツライス」はちょっと気になる。
飲み屋さんではないのでこれらはオツマミではなく「副菜」ということにあるわけですが・・・
全部並べたい(笑)
ということでミックスフライ。
2種選べるので、この日は「アジフライ」と「メンチカツ」。
カリッとしたアジフライは美味しいわー。
メンチカツは意外にも薄くて、中身がすごくソフトでこの味わいはなかなかないなぁ。
これ、好きかも。
ポテトサラダはガッツリ昭和のそれ。
お肉屋さんで売っていたのはこれ。
ソース、ソース!
キャベツの千切りにドレッシングなんか愚の骨頂!(笑)
この練り辛子もよくできていますよ。
カツにも合うけどきっとシューマイにはさらにいいだろうなぁ。
どかーん。
これは迫力!
ブタ肉塩焼ライス(上)。
雑然としたように見えての調和。
いちばん食欲を刺激される旋律。
豚汁。
実はこのゴハンがとてもいい!
粘りがしっかりあって、おかずを受け止めるそういうゴハン。
この厚みにして肉の中の空気が抜けたおらず、従って硬さもなく弾力があります。
「塩焼き」とあるのでしょっぱさでご飯を食べさせるわけではなく、驚くほど肉の味を強調する薄塩です。
もしかしたらそれが物足りないと感じるので、そんなときは辛子を少量。
とても食事が楽しかった。
独りの世界で食事を楽しむってなかなか出来ないことです。
孤独のグルメって、
独りぼっちのグルメタイムではなく、
孤高の独立したグルメ世界、なんですね。
いい勉強をさせていただきました。
石破茂氏の色紙があるんですが、これはただ立ち寄ったというより地方創生の一環でここに来たのではないかと。
地方創生の切り札は地元の食でもあるわけですから。
あ、放映では主人公が電車に乗れるかどうかがエンディングでしたよね。
私の計算では・・たぶん乗れてます(笑)
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