美味しいものは不意に現れる。
そんなことが何度も訪れることがあります。
最初に申し上げるべきは、ここ「Dining BAR RAGTIME」の勝浦タンタンメンは素晴らしい「料理」だということ。
美味しい「ラーメン」であり、美味しい「料理」です。
この”勝タン”を知って、少しショックに近いものがありました。
そもそもラーメン専門店とはおおよそ違うこのビジュアルにやられてしまった、ということも多少はあるでしょう。
もちろん Dining BAR なわけですから当然ではありますが。
逆に言えば、こういった店で本当に美味しい勝浦タンタンメンが食べれるのだろうか?という、
よくない先入観をいだいてしまったのも事実です。
入って右奥は黒を基調としたカウンターバーとダイニング。
ラグタイムという名前からもアメリカンのはずなのでしょうが、なんとなくロンドンの「PUB」っぽくも見えました。
海を見ながらのカウンター。
ここでも勝浦タンタンメンを食べれるとなれば、もしかしたら日本全国でも稀な「オーシャンビューラーメン」ということになるわけですね。
カウンターだけでなくオーシャンビューテーブルもあり、今回はそちらに案内いただきました。
ちょっとあいにくの雨なのが残念ではありますが・・
それでもなんともいえぬブルーオーシャン。
このメニューをみればもう相当なるものが期待できるのは一目瞭然。
次回伺う時は、いや絶対に行くと思いますが、その時は「勝浦ワンタンメン」をチャンレンジしたいと思います。
むむ!これも琴線に触れるぅ!
が、今回は「勝浦ワンタンタン」にします。
「ワンタンタン」というありそうでなさそうなこの絶妙なネーミングにすっかり惹かれてしまいました。
運ばれてきました!
ブルーボトルのお水、白木のテーブル、ウッドデッキ、外は青い海。
そして白い器に赤い「海」。
うーん、いいなぁ。
こちらは「勝浦タンタンメン」
まちがいなく「ラーメン」なわけですが、
中華でも、和でもなく、まぎれもない「洋」の佇まい。
やはりこれを見ても「料理」です。
決してラーメンというものを下に見てのことではなく、ここではラーメンを「料理」として表現をしている、という意味です。
そして「勝浦ワンタンタン」。
ワンタンが5個。
一般的なワンタンより皮そのものが大きいですね。
美味しい。
勝浦タンタンメンで細麺というのは珍しいかもしれません。
なので大盛りはなく替え玉を勧めています。
ちゃんと煮えている大ぶりな玉ねぎで、よくあるみじん切り乗せとは一線を画します。
このあたりも「料理」。
ラー油はけっこうな辛さで、最初は「おお」ときますが、そのあとなんとも言えない甘みが来るのです。
これは辛いカレーに甘みを感じるのと全く同じ感覚で、もしかしてカレー同様玉ねぎペーストでも使っているのかな??
この辛さと甘みの白黒反転がずっと続きます。
そこに麺とワンタンのも加わり、まるでラーメンの舞踏会。
なんていうか、このラーメンの作り手の掌の上で心地よく踊らされているよう。
こういう時間は食べ手として至福の時。
私は何も考えずに一気に食べ終える美味しい「ラーメン」も大好きだし、
いろいろなことが頭の中に巡りにめぐる「料理」も大好き。
タオルおしぼりもあり、ナプキンもあり、そして穴あきスプーンもあり。
ふと上を見上げるとこの風景。
今までタンタンメンをいただいていたのがなんだか不思議。
まさかの・・・
勝浦タンタンメンは、海で冷えた身体を温めるためにできたといわれます。
まさしく郷土料理。
手軽な食べ物ゆえ今の時流ではB級グルメとして認知されていますが、
よく見れば実に洗練された食べ物です。
だからこそこのRAGTIMEのような勝浦タンタンメンが存在するのだと思います。
本当に満足にいく「一皿」でした。
なんか・・・2017年のクライマックスがこの日やってきてしまった感じです。