
馬喰横山という街は、もしかしたら東京で一番静かな夜の街かもしれません。
「荒らされていない街」とでも言ったらよいのでしょうか。

人気も限られているし、夜の店も疎ら。
しかしゴーストタウンのような寂しさはまるでなく、危ない感じもせず、とにかく静かなだけ。
華やかさとは別に、この人のいなさが実に情緒があります。
日中はご存知の通り繊維問屋や服飾の卸の店が立ち並ぶ場所です。
この場所がそうなった理由は簡単で、日本橋からの街道筋は、江戸時代、全て旅支度が順々に出来るようになっているわけです。
つまり日本橋から横山町までは「服」の支度、浅草橋は「袋」の支度(だからハンドバッグやさんが多いのです)、上野は「煙管」の支度ですね。

ポツンポツンとあるお店はどこも隠れ家的で、地方都市にはよくこういう光景を目にします。
それが東京の右も左も人だらけの街々と隣り合わせに存在しているのが実に不思議。

こういう場所だから、なんか変な店に遭うだろうと漫ろ歩きしていたら・・
ありましたね。
「順順餃子房」
十分怪しい感じです。
「イラ!サイマセー!!ヒトリ?ジャ、ソコ」
怪しい対応ありがとうございます。
「ナニスル?」
メニューに目を通してまだ2秒。
怪しい店には怪しい作法で臨みます。
「餃子美味しいならワンタンも美味しいかな?ワンタン麺出来る?」
ワンタン麺はメニューにありません。
「ン?タンメン?タンメン、コレネ」
「いや、ワン・タン・メン」
「ア、ワンタンメンネ。デキルヨ。コレカ」
と、あるメニューを指す。
「それ、広東麺でしょ。ワンタンの入ったワンタンメン」
「ダイジョブ、ダイジョブ、ワンタンメンネ」
と立ち去りそうになったので、
「あ、ちょっと待って。あと、餃子ひとつ」
「ワカタ」
怪しい会話、ありがとうございますm(_ _)m

「ヤキギョザ、ドゾ」
ここまで、お冷やも出てこなければ、タレの小皿も出てこない。
が、普通なら多少はアタマにくるけど、そもそも怪しい店を進んで選んだのだから、むしろありがとうございますm(_ _)m (笑)

シンプルに旨い餃子。
ニンニク、ニラがデカく、その粗雑さがかえって悪くはないです。

「ハイ、ワンタンメンネ、オマタセ」
お、期待にたがわぬインターフェイスだ。
ワカメだけだけが余計だけど、あとはよし。

かすかにウーフンシャンか、もしくはスターアニス単独の香りがします。
うん、いい怪しさだ。

この煮卵が実によろしい。
これまた少し変わった中国独特の香りがします。
スープはラーメン店のアレでもないし、街中華のそれでもない。
これまた怪しい中国料理店だからこそのエキゾチックスープ。
いいですね、これ。

怪しい、怪しい、言いましたけど、
決して変な店ではなく、近所の会社帰りに方々に愛されている様子は手に取るようにわかるし、
ぶっきらぼうな中国の女性の対応だって本当に人嫌いでやっているのとはわけが違い、
もう、それは「慣れ」でなんとも思わなくなってしまうものでしょう。
怪しさも、suspicious のほうではなく、mysterious の意味で、です。
これだけ日本人がいない街だと、それに比して外国の方々が目立ちます。
街を歩いただけで「外国語」がそこらかしこで聞こえてきます。
また、その受け入れるべき場所(バジェットトラベラー向けのお宿)がこの街にどんどん出来ています。
分かる気がするんですよね。
立地が都会なのに日本人が夜にいない街なんだから。
IRORIはその代表格ですよね。
なんだろう、もう日本人が忘れてしまった「旅の起点」が、今海外の方によって甦らせてもらっている最中、そんな感じかも知れません。
日本人が夜はいなくなり、外国の方の人口比率が夜に急に上がる。
こんな二面性がこの街でもっともっと出来上がっていったら面白いんじゃないかなー。
2020年に向けて、日本人だけが知らないインターナショナルな街がもう東京に出来つつあるのかも知れませんよ。
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