地元ということもあるので、幕張メッセで行わるキャンピングカーショーにはいったい何度訪れたことか。
そして2017年、先週も。
展示や展示車が毎年必ず様変わりしていく中で、
まるで時間が止まったかのような「ある空間」に、毎回毎回引き込まれてしまいます。
それが「T.globe」
トランキル グローブ、意味は「平穏な地球」または「静かなる世界」
展示説明も無ければ、華やかな幟りもバルーンもありません。
パンフもないし、看板らしくない看板がさりげなく1枚立てかけられているだけ。
それも毎年同じものが。
なぜ余計な宣伝をしないのか、その真意は分かりません。
しかしその語り掛けはもしかしたらどこよりも雄弁かもしれません。
文字に訴えるツールは何もないのに、この空間が発している「空気」の強さは計り知れないのです。
本当に異質な空間。
周囲のメーカーの空間作りは当然ながら「展示」。
しかしこのT.gloveだけは展示ではなく「展開」がされているように思えます。
製品とか商品とかではなく、”キャンピングカーの在り方”みたいなものが「展開」されているのです。
チェアに座り誰と話すわけでもなく、ただただのんびりされている方がいらっしゃいました。
1時間後に前を通り過ぎてもやはり一緒。
誰もが足早に忙しく通り過ぎるこのイベントにあって、ここは全く違う時間と空気が流れているのです。
キャンピングカーという名前は、決して機能=ファンクションの名前ではなく、
本来「キャンピング」というパフォーマンスを繰り広げるに相応しい場所と時間を創ってくれるもの、
そんなことがここで示唆されているのかもしれません。
そのどれもが決してきらびやかではなく、いつの時代も変わらぬ、
「オーセンティック」なスタイルで。
ついついいつものライター気分で、オーナーさんに話しを聞こうかと思いましたが・・
やっぱりやめました。
昨年も一昨年もそう思ったのですけど、やっぱり止めました。
「T.globe」について調べれば何かが分かるのでしょうけれど、そんなことどうでもいいです。
私にとってはこの輪に無理に加わらずとも、毎年毎年この風景がここに来て眺められる、それで十分です。
また「T.globe」が、変わることなくそこにあった、
それだけで。
また来年も、このストライプのオーニングが、
きっとこの幕張メッセに張り出されることでしょう。
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