千賀子先生がご逝去されてもう1年・・
そんなに時間が経ってしまっているのですね。
私がダッチオーブンをキャンプで使い始めてのち、最も勉強させていただいたのは中山千賀子先生の著書です。
全ての著書を所持できているわけではなくとも、私の本棚にあるダッチオーブンの本は半分は先生のもの。
先生からは私みたいなものにも何度もお声がけいただきました。
ありがたいことです。
それに応えられていなかったことは今でも悔いています。
あれがひとつ形になっていれば・・・
いろんなレシピに影響を受けました。
私の性格でもあるのか、キャンプにおいてはレシピ通り作ることはなく、
とはいえ自宅ではじっくり読ませていただき、なおかつ1回はレシピに従って作ってみて、
まずはそれをよく味わい、それから自分のインスピレーションとミックスしてみる、
その繰り返しからまたさらに広がる楽しみを見つけていきました。
「先人」とは常にそういうヒントを与えてくれる存在だと思います。
一つだけどうにもアレンジできなかったのがこの「鉄鍋ビビンバ」。
この剛速球のストレートにはもうまいるしかなく・・
一時期、毎晩毎晩レシピ本を読みふけり、そして眠くなったら寝る。
そんな日がありました。
いつも枕元にあったのは
枻出版から出版されていた文庫2冊。
『キャンプの主役はダッチ・オーヴン!―キャンプ場ですぐに役立つダッチ・オーヴン虎の巻基本の25レシピ集』
『キッチンで簡単、ダッチ・オーヴン―キッチンで作る美味しいオススメレシピ30 』
毎日眺めていました。
決してキャンプ料理だけに偏るわけでなく、代表的な和洋中レシピであったり、家庭的な料理であったり、ただワイルドだけではないモダンダッチオーブンレシピ。
レシピは同一ではなくとも、私が展開してみたかったものそのもの。
今まで一言もどこにも書きませんでしたが、私のレシピのほとんどは自分の「舌の再現」です。
世界のいろいろな場所で味わってきた脳裏にある味をダッチオーブンを使って再現する、それが根底でした。
そしてその下支えにとしていつも身近にあってくれたのが千賀子先生のレシピ本です。
中でも、山と溪谷社 『ダッチオーブン・パーフェクトブック』は中でも最も完成度が高いものではないでしょうか。
お菓子系を作るのはちょっと苦手なので、それこそこの本には一からお世話になりました。
1周忌に何もできなかったので、ダッチオーブンで何か作ることにしてみました。
土曜日に食卓に乗せたのは「肉じゃが」。
ジャガイモを皮むきせずに調理し、尚且つそれにまた味わいをもたらせてくれるのもダッチオーブンならでは。
私の工夫は、赤ワインをベースにするのと、バターによる仕上げ。
これもある和食店で覚えたものを再現。
翌日のランチに作ってみたのはチキントマトカレー。
一枚のまま焼いた鶏ももにカレーを加え、輪切りのトマトを加えて蒸し煮をする。
煮込みだけのカレーとは違い、焼く、煮る、蒸すを組み合わせ、しかも食器にもなってくれる、
そんなカレープレートにしてみました。
これもいくつかの味わったものとイメージを想像しながら作って楽しみました。
千賀子先生、心から感謝しています。
私のキャンプライフが最も多彩であったころ、
その彩りの源になったのは先生の本のおかげです。
回数は減りましたが、これからもダッチオーブンが生活の一部で彩りとなるようにしていきたいと思います。