
「森と星空のキャンプヴィレッジ」という名前で一番重要なのはそのパノラマバランス。
森と星空、この二つ、よくよく考えると相反するもの。もっと言えば両立しがたいものです。
森の中にいたら星空のパノラマは開けない。逆にパノラマばかりだとただの平地になってしまう。
そこでこの南の空、そして北が開けつつ、東に適度の雑木林、西に杉木立、そして窪地なんですね。
夜は東からゆっくりやってきます。窪地といってもすり鉢状ではないので、東から昇る星々は小高い森の隙間からゆっくりと顔を見せてくれます。

そして「何もない」南へ移ったころには季節の星座がスクリーンいっぱいに。

※この画像は曇ってきてしまったあと(22時頃)に撮ったので星が写りませんでしたが、2時間前くらいは月明かりに負けず、西からおうし座、オリオン座、ふたご座、かに座、しし座が大変よく見えていました。
ご覧の通り、南は真っ暗。
そこにサーキットがあるにもかかわらず。
いや、広大なサーキットがあるからこそ、です。
当然と言えば当然で、サーキットがある以上音との関係からも、近隣に光が上がる集落や民家がありません。
私はこの言い方が好きではないのですが、あえて言えば「光害」がないのです。
山間部ならともかく、平地で、しかも利便性を保てる場所において、これだけの周囲の暗さを確保できる場所なんてそうそうありません。
このツインリンクもてぎの成り立ちがまた面白く、そもそもの広大な土地自体を慣らして作られているので、無理やり土砂とかを運び込んでの造成とはわけが違い、自然をなるべく壊さずに作られたキレイな台地です。
平たくものすごく広大、周辺の光がほとんどない、平地でこんなにもソラが開け、それでいて何もない場所ではなく十分すぎるほどのレジャー施設内。
ある意味、キセキじゃないのかと思います。
キャンプ場の話に戻りますと、南にいっぱいに広がったソラは、やがて西側へ移動し杉木立へと沈んでいきます。

私が写真を写すころには、下弦の月明りと薄雲になったものの、その月明りがこんな幻想的なグラデーション&ハロを見せてくれたのは、もてぎのソラの暗さあってこそです。
左にあるのは木星。真ん中の上にあるのはしし座の大鎌の部分(逆ハテナ)

北はこちらの方角。
こちらもキャンプサイトから開けていて、北極星が隠れることがありません。
これも何気に大事ですね。


さて、セットアップテント。
今やグランピングイメージの代表格ともなってきたキャンバスキャンプ・シブレー。
そこに同じくのスクエア。
フラットなパレットの上にテントがあるので、湿気、冷気は直接受けにくなっています。当たり前ですけど水没の心配も少ないです。
張り綱も杭で固定されていて安定感十分。
個人的な意見で言えばたーの存在はどうなんだろうな・・という気もしなくはないのですが一般的に考えれば常道ではありますよね。

ウッドテーブルにチェアはおなじみ「TAKEチェア」が4脚。

これがありがたい電気カーペット。
これがあるとテント内の温度を座っているいないにかかわらずそれなりに保てます。
季節の変わり目はテントサイトでも寒暖の差は受けやすいですからね。

セットアップテントには1台ずつ天体望遠鏡、本格双眼鏡が備えられていますので、ぜひ存分に使ってほしいですね。
操作はとても簡単ですので安心してください。見方はスタッフがサポートしてくれます。


特徴的なサイト周りの照明。
実は・・当初むき出しで光の洩れ方が大きかったこともあり、このシェードに変更になったのです。この辺の柔軟さがと対処が「森と星空・・」の名を冠する者としても強い決意でしょう。

地面やサイトを緩やかに照らしつつ、上部にはさほど光を上げず、星空を邪魔しない、そしてもし・・天候が悪かったような日でも、このシェードが星をちゃんと提供してくれる役割もあります。



同様にサニタリーも通常光が上に漏れる星空の阻害要因になりますが、ご覧の通りすべての照明が下向き。そしてやわらかい電球色。こんなところで蛍光色がきたらすべてオジャン。
トイレも今点いているのは人感センサーが働いているから。
キャンプ場のサニタリーはさすがに真っ暗というわけにはいけません。なので利便性と暗さの両立が大切。
そしてお気づきのように自販機がここにはありません。あの光は星空の大敵。
センターハウスの方にありますが、これも夜は照明シャットダウン。
運用にもよりますが、センターハウス、この炊事棟もある時間帯は消灯、減灯を考えられているそうで、その辺もスタッフのみなさんが意識を高めてくれているのがうれしいですね。

その中心として動いている中山さん。
とても勉強熱心で親しみやすいこの笑顔。
いつも同じことを言いますが、キャンプ場の価値の中に占める「人」の割合はとても大きく、場所の価値と人の価値の両方で高めあうのが今のキャンプ場の在り様です。
共用のファイアプレイス。
サイトで焚き火が楽しめなかったとしてもこちらが使えます。
焚き火もある意味、星空のちょっとした阻害要因でもあるので、あまり大きな火にならない、または適当に炭が混ざって火が上がらない工夫があってもいいでしょう。
サイト自体も広く、テント&スクリーン連結でも大丈夫。
電源も備わっています。
これらの食事のサポートもそのバックアップがあって行われています。
言い換えればベースがホテルクオリティということになります。
もちろんホテルとキャンプではいろいろと違う点がありますから、この落としどころが納得いくものになるかが今後の注目ですし、もしかしたら一つの成否のポイントとして注目したいところです。

まず最初にあるのがログキャビン。

手前に炊事棟。

キャビンはおなじみのBOSS。

直火もここなら可能。


場内もソラが開いています。

このステージがどのように活用されるかがカギですね。

この切り株ロードも・・・してみたり・・・してみたりするきっと面白いだろうなぁ。


上部のサニタリー。
どこもウォッシュレット。

お湯も出ます。

ステージの奥にあるファイアプレイス。
ここも・・・してみたらいいだろうなぁ。


BBQプレイスですが、もうちょっと違う使い方に発展しそうな感じ。

さすが!!
普通のキャンプ場にはまず存在しない「バイク駐車場」
これで、キャンプ場でサイアクの立ちごけ・転倒防止。
ここの雰囲気を見ると「栃木のキャンプ場」~って感じしますねー。
一応駐車エリアもありますが、現実的かというとやはり・・・
バイカーの方のソロテントなどのがいいでしょうね。
オートキャンプはやはりその専用サイトのが使いやすいです。
大きさは今の標準からいけば大きくはないです。
いい加減なことを言えませんが、サイトを二つ繋げて広大なサイトにしてしまった方が逆にウリにもなるし、むしろ稼働が上がるのではないかとも思えます。
やはり、クルマとは縁遠くないこのキャンプ場の成り立ちですから、今の時代の「オートスタイル」に思いっきり踏み込んだ方が余計にアイデンティティが明確になるかとも思いますね。





私がその昔の昔、まだハローウッズの名前さえ着いていなかった頃に利用したのはたぶんこのサイト。
あの頃はまだ背丈だったシラカシもいまや大樹に。


さてさて、キャンプ場ばかりの話でしたが、そもそもは「ツインリンクもてぎ」ですからサーキットが中心ですが、忘れてはいけないのはここが広大なレジャーランドだということ。
それは鈴鹿サーキットが現地のそれであることと全く成り立ちが一緒です。
一方でモータースポーツとのインターフェイス、一方で自然とのインターフェイス。
もうこれは理念みたいなものですね。

ですので、キャンプ場だけではなく各施設をめいっぱい利用しないと、このツインリンクに来た価値の半分をスルーしてしまいかねません。
お子様連れなら、この「ハローウッズ」へはぜひ立ち寄ってもらいたいし、これはキャンプ場とセット、そう考えた方がいいくらいです。

特にこのジップラインは他では味わえないアトラクション。
何しろ里山からサーキットへ一気にロケーションが変わりながら降りるというタイムマシン的。


これが何のためにあるかというと・・

自然の姿を「見下ろす」体験です。
いつも下からしか見ない世界を、上から観察すると思わぬ発見が。

そして、先に書いた通り、ここはパノラマの場所の象徴。
この場所で星を見る、ということも将来的にはあるかも。
ちなみに月明りだけでここに上がってみましたが、何の照明もなく、自分でも持たずにそれが可能でした。
真っ暗な場所での月明りとはそれくらい明るいものです。
こういう体験なども非常に重要なことと思います。
そもそも歴史あるキャンプ場なのですから。
いわば、キャンプ場としての第2世代への生まれ変わりです。
以前からずっと思っていましたが、キャンプ場のキーは「ヒト」「コト」「バショ」。
特に2番目の「コト」はここ5年に急速に変化し、フェスから始まり、今はグランピングを通過している最中です。
そしてようやく「バショ」に目覚める時代になったと思います。
「バショ」とは単に場内ロケーションというだけではなく、広域で持ちうるその場所特有の資産。
これを活かせして、自らのキャンプ場の価値に転換できるかどうか。
ハローウッズオートキャンプ場が終焉し、「森と星空のキャンプヴィレッジ」となったのはまさにそのことだと思います。
///////// 追加レポート! ////////////