さぶちゃん / 半ちゃんラーメン

名前に「東京ラーメン」と冠する店が多くなったが、自ら名乗らずとも事実上そう認められる店はどんどん少なくなってきた。
店主のさぶちゃんの巨体は昔のままだが、すっかり五分刈りの頭は真っ白。私が初めて訪れた20年以上前はまるで愛想がなくただただ寡黙で、今もコンビを組むか細い男性パートナーがそれをカバーしていた。
ところがそれが今は愛想役と寡黙役が逆転してしまったのがなんだか面白い。まるで年月を重ねた夫婦のような感じ。
さてメインメニュー”半ちゃんラーメン”だが、チャーハン、ラーメンとも少ししょっぱさが勝っていた感があるが、やはり東京ラーメンのデファクトスタンダードの一杯であることには変わらない。
生姜が利いた透明醤油味、真っすぐの細緬。しっかり味の入ったメンマ…
数年後に幻になってしまうのではないかと思ったりすると、つい足が向いてしまう。