
少し間が空いてしまいましたが・・「
モリパークアウトドアヴィレッジへ行ってみた 各ショップリポート」の第3弾をお届けいたします。

まずは
Columbia


ゆったり買えるといえばゆったり買える、商品量が少ないといえば少ない・・
フルラインナップしちゃうとこれだけだっけかな?とちょっと驚き。季節的には入れ替えというのもあるでしょうから、今後の品揃えに期待しますか。




むしろ、
SORELなどを含めたシューズのラインアップがいいみたいですね。バックストックも多いみたいですし、ちょっと探すとセール品もあったりするし。


同じコロンビアグループとしては「
MOUNTAIN HARDWEAR」のがこの昭島ではあっているかもですね。
歴史は古いですけど日本ではこれからのブランドのような気がしますし、ちょっとバケるかんじがするような。
今はまだ世界観も表現できていないし陳列オンリーですけど、このスペースで都内ではできないような展開を期待したいです。このままずっとだと他店に比べて無個性が進んでしまうかもしれません。

続いて「
mont-bell」





Part1でも書いたように「フルラインナップ」できる敷地がこのモリパークアウトドアヴィレッジから提供されてますから、モンベルが全投入すればこれだけの敷地を埋めることぐらい難なくやれてしまうほどのアイテム数。
しかし、この昭島以外にも大型店の運営はすでに多数で、そういう意味で
もうモンベル=大型店の印象と経験があるため、どうしてもここに来ての
「新鮮味」の点で不利です。
また、店舗設計であり、VMDであり、それらの統一基準がそもそもしっかりしており、逆にそれも「
慣れ」を助長している一因かもしれません。
私はむしろ、ここでは
「はじけた」モンベルが見たかった気もします。

それがこれだったのかもしれませんが、定常的でないのと、それに店内ではないので・・・
これが店内とつながっていてカリブの海賊みたいに回遊できたりしたらすごかったのに(笑)
できるわけないか(笑)

ということで、この地で楽しむひとつモンベルプロデュース「
ハーベステラス」へ。

ガッパオライス。


美味しいかおいしくないかでいえば美味しいけれど・・・
以前、こう書きました。
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飲食も今やグルメ時代真っ只中、超強烈な個性を発揮しなければ近隣の方以外は今一度足を運ぶ要素にはなりにくいものです。おそらく今のアウトドアの標榜はライフスタイル志向ですから、飲食もきっと泥臭くない都会的な洗練をもって展開されるでしょう。
つまりそういう飲食のライバルはアウトドアに関係なくここ昭島にたどり着くまでに山ほどあり、それらを掻き分けてでもここに来るのかというレッドオーシャン的な挑戦にもなってしまいます。もちろんそういう志向の展開であるかどうかはオープンしてみなければ分かりません。全く対極的な今までにない「山ごはん」のようなことをしてくる可能性だって捨て切れません。
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これはハーベステラスだけのことではなく、モリパークそのものの取り組みが、極端な言い方をすれば、
「
立川以上、奥多摩以下」
これが必須だったような気がするのです。
立川より手前でできてしまうことならここには要らないし、奥多摩だからこそできることをここでやってしまったらそれは共生要件に合わない。
メーカーの製品というのはNBなのでここだけのための商品はそうそう用意できないことは承知のうえ、せめて飲食だけは「
立川以上、奥多摩以下」を提供してくれたらなぁと期待します。
THE NORTH FACE


某メーカーの方がここを見て、「ウリを取りにこないなら、こういうことは出来るよね。でも、同時にこれがウリにもなる場合があるのだから、やはりそれをやる決断はすごい」とおっしゃっていました。
これは「編集」です。
店舗では常に「提案」をします。それは販売促進を根源に。
しかし「編集」はイメージ促進。いきなりの販売促進にはなりませんが、ジワジワきます。
商品の購買を促進するか、ブランドの世界に引き込むか。
この、編集の世界に踏み込んだのはノースフェイスとスノーピーク。
たとえばA&Fは最初から編集です。メーカーではなくバイイングだから。
コールマンは編集に重きを置けませんでした。当然です。プロパー初出店なのですから。そこからは入れません。
しかしノースフェイスとスノーピークはすでに多くのショップ成功を収めているので、ここ昭島で同じことをやる必要がなかったし、またそれではブランドの成長がないと感じたのでしょう。
ただ、このノースフェイスの編集はアウトドアでは珍しくも、アパレルの世界ではやりつくされたものでもあり、むしろそれからは卒業のフェイズに入っているところです。カラーコーデによる「VMD」はむしろやらなくなってきていますし。
スタートはこうであったとして、この先どうなるのか注目したいところです。



なんだか擁護してるのかそうでないのかわからない論調になってしまいましたが(笑)、ノースフェイスは次元が違うことをやっていますし、
こういうショップがあると「昭島に行ってもいいかな」と思わせてくれることは間違いないです。
確実に
「立川以上、奥多摩以下」なので存在価値がピカイチ。
CONTOUR
コントワ。一番ここで異質で、一番「らしい」ショップかもしれません。

英国ブランドなんて、A&Fさん以外ではそうそうお目にかかれません。
英国ってアウトドアイメージが薄く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも「探検=エクスプローラー」は英国の真骨頂ですからね。
それに「狩猟」「フィッシング」は本場中の本場なわけですし。
英国では、アウトドアはスポーツです。
アウトドアスポーツという意味ではなく、「スポーツ」の一つ、という認識。
ジェントルメンズスポーツ。
ジャケットを「スポーツコート」と呼ぶのはそのため。
フィジカルスポーツではない、男の心の競技、そんな感じでしょうか。
HUNTER はまさしく英国を代表するアウトドアアイテム。
まだショップとしての経験が浅いからか、なんとなく雰囲気がまだまだ醸成されていない感じです。
それこそノースフェイスの裏返しとして、
小さいお店でも「編集」に徹してもよかったのでは、と。
SALOMON



SWANSもそうですが、こういうプロショップ的なお店はあってほしいですね。派手さはないですがぐっと絞ったよさのショップは本来存在価値が高いと思います。



SUUNTO があるのは
アメアスポーツのショップだから。
というか、以前はアウトドアギアのイメージが強かったSUUNTOも、いまやむしろ
フィジカルウォッチのほうがメジャーになっているわけで、そういう意味でもSALOMONとの二戸一は自然。



屋内広場はどう使われていくんでしょう。
今回はランクル他FJクルーザーなどと・・・これはフィールアース・・・
いや・・・そこはもう・・

ヨガやクライミングの
PLAY
カフェも併設。そこからクライミング等の様子も。


プロデュースは
タベイプランニング。
そう、
田部井淳子さんの。
「アウトドアスポーツを日常に 人生を「遊び続ける」きっかけの場所」
このモリパーク全体がこれに則っているといっても過言ではないでしょう。
アウトドアといえば非日常、日常にはない存在、そういう認識であったのが、
山井社長の「人生に野遊びを」とともに、アウトドアがとうとう人生観になってきた時代になったのですね。
それがこのような場所として表現される時代となったのですから2000年以前では想像すらつかなかった”今”です。


場内というか、場内周りというか、シューズのためし履きも体験できるコースが。
人がいっぱいになってしまうと気がつきにくいかなぁ。

15mの
クライミングウォールは国際競技にも対応できるこの施設最大の象徴。


片手。。。


片手。。。
右足浮いてるし。。。滝汗;;;;;;;;;;;;;;;;


片手。。。マイナス斜度。。。14m地点。。。観ているだけで大滝汗;;;;;;;;;;;;;;;


すごーく簡単そうに登っていかれましたが、私も某所で以前やってみたときの感触で思い出すと、この高さへ到達するには昼夜賭けて30年くらいかかりそう(笑)
ほんと、すごい。

たぶん、見逃されがちなのはこの
ヒマラヤ杉の方位モニュメントと・・・

この
鉄柱は・・・
ここが
「昭和飛行機工業」の工場跡地であることを静かに語っています。
場内に育った大きなヒマラヤ杉は、惜しまれつつ伐採され、同様に工場も解体され、形を変えてその刻んだ歴史とともに息吹をひっそりと残しているというわけです。




商業施設の今の課題は多分どこも同じでしょう。
それは「
劣化」。
この劣化の流れを食い止め、それどころか進化がそれを上回り継続的に人を呼べている商業施設は「ららぽーと」くらいではないでしょうか。
モリパークアウトドアヴィレッジもそれとの闘いとなるのでしょうね。
立川からのホンのちょっとの乗り換えが必要、各高速ICからホンのちょっと遠い、アウトレットではないのでホンのちょっとお高い、これらの「ホンのちょっと」はオープンまもなくの盛り上がりでは感じることはないでしょうけれど、少しの時間が経つとこの「ホンのちょっと」がひびいてくる可能性があります。
注目度というものも当然時間とともに劣化します。
「ホンのちょっと」を上回れる意味づけが、継続的に施設・ショップともでなされたら、確固たるリピーターが誕生していくでしょう。
ブランドショップが並んでいる、ではなくて、「昭島」に往く理由がある、がブランドになれたら、です。