アウトドアエッセイ

◆「キャンピングカー文化」と「オートキャンプ文化」の関係

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2月初旬に行われた「ジャパンキャンピングカーショー2015」。

その日に見させていただいた多数のキャンピングカーを当初ご紹介しようと思っていましたが・・・

その日、急遽トークショーに出演したということもあり、むしろその振り返りつつ、その日お伝えしたかったことをこちらに記させていただきます。

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お題は「オートキャンプ場キャンピングカー利用の実態

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ガルヴィ國吉編集長、ゲンさん、そしてキャンプ場経営のみなさん(大子広域公園グリンヴィラ、塩原グリーンビレッジ、有野実苑)、またグループの代表(ACN)、そしてキャンピングカー発信側としてトイファクトリー藤井社長とともに登壇。(画像:シマモトさん提供)

会場にいらした方との掛け合いも含め現在利用状況などを編集長のリードで進めています。

集まった方々に聞いた利用の実態は全く全体感の集約の如くオートキャンプ場を使っているという因数は極めて少なく、またキャンプ場側の実感としてもそれがないという実情でした。

オーバーナイトの場合は当然道の駅利用が最も多く、その理由は利便性とコストのバランスが最も優れているということにもなりそうです。

高いお金を払ってキャンプ場を借りるに至らない?そう思うのも道理。

それには二つの価値観が介在するのでしょう。

・ひとつは、キャンプングカーそのものが居住空間として完結している、または準拠しているという点。

・そして、もうひとつが、キャンピングカーの移動が「旅」なのか「キャンプ」なのか。

以前欧州に住む各国の知人達によく「週末はなにをしているんだい?」と聞かれ「オートキャンプだよ」と答えると、十中八九「そうか、キャンピングカーに乗っているんだね」と返されました。

つまり「オートキャンプ」イコール「キャンピングカーの移動」

私なんかがやっている車にテントを積んでキャンプ場に行くのは「オートキャンプ」ではなく正確には「camping」です。

グランピングなんて言葉が生まれたのも「グラマラスなキャンピング」からで、「オートキャンプでグランピングをする」なんて言ったら日本では通用しても外国では何をいっているのかわからない、そういうことになります。

では、その欧州ではどうかといえば、キャンピングカーへ乗って移動する先はオートキャンプ場

パブリックを大事にする欧州の習慣では公共施設を個人利用する考え方はなく、宿泊地はお金を払ってでも自分で確保するという考え方です。

これはいい悪いではなく、逆に道の駅をどのようにでも使える日本はむしろ公共性が高い、またそれが道徳によって成立できる民族性の高さであるともいえます。

日本では「オートキャンプ文化」と「キャンピングカー文化」が過去別の道を歩み、ゆえにそれぞれの目的や利用価値が異なった結果、オートキャンプ場とキャンピングカーの親和性が離れてしまったのでしょう。


しかし、思うにこれからはちょっと違うような気がしています。

それは、ソトアソビの価値発見の多様化、さらには安全と安心の確実な確保、もっといえば個のライフスタイルを明確に示す場所が必要とされる潮流があるからです。

道の駅は「休憩」の観点でいえば絶好の地ではありますが、「アソビの基点・基地」にはなりえない場所です。なぜならそこは確保された敷地ではなく一時的な駐車場だからです。

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これらの画像のように過ごす場合、そこには個人の楽しみが出来る「敷地」が必要。駐車スペースではなく。

これを安全と安心を担保してくれ、さらにサニタリーお風呂、各種アミューズメントスペース、そして何よりも豊かな自然環境の基地として最高のパフォーマンスを提供してくれるのがキャンプ場、特にオートキャンプ場です。

そして忘れてはならないのがオートキャンプ場にはそれらのアソビをリードしてくれる「ガイド」がいるということです。場所として使うことももちろん、管理者、オーナーの方とのコミュニケーションでその土地土地をアソビ尽くす、これも料金に含まれたパフォーマンス。

もちろんそれは同時にオートキャンプ場側の課題でもあり、キャンピングカーを受け入れるスペースの確保、またそのニーズに応える利便性を提供できるかもいわば需要と供給の話です。

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上記にも書きかましたとおり、ソトアソビの価値発見の多様化、アクティビティの多様化、そして忘れてはならないのがライススタイル表現、これは今後さらに進み、その過程において過去別々の道を歩んだ「オートキャンプ文化」と「キャンピングカー文化」が互いにミックスアップ、融合していくのだろうと予想されます。

そういってしまうと若い人の話と思われてしまうかもしれませんが、実は高齢化に伴うシニアライフの根本的なニーズにもなっていくはずです。

無論、こうあるべきとかいう話ではなく、それぞれの資産や歩んできた知見を活かし、もっともっと有意義な、そして何よりも思い出、記憶に残る時間が創出されていくことを切に願ってやまない、そのように思っています。

私だっていつ「キャンピングカーだ!」となるか分りません。もういいかげんシニアですし。

反面、テント泊とその過程でのSUVでの移動にはまだまだ魅せられているので、しばらくは「ジャパニースオートキャンプ」スタイルを継続し、いろいろやりながらアソビたおします!



by sammag | 2015-03-02 00:03 | アウトドアエッセイ | Trackback | Comments(0)

人生は旅。旅は人生。日々は扉の向こうとこちら側。キャンプ・食・星・日常を綴る、アウトドアライター・キャンプブロガー・JACインストラクター/講師・温泉ソムリエマスター/温泉健康指導士・星のソムリエ® ・exite公式プラチナブロガー SAMの人生キャンプブログ


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