
高速道路のサービスエリア、ここでの休息は本当に大事ですよね。
その中心の一翼を担っている各種自販機。
中でも際立った存在感を示している「ミル挽き珈琲アドマイヤ」。
珈琲好きではなくてもこの自販機のパフォーマンスには、多分多くの方が「おお!」と思われたことでしょう。
一杯ずつ豆を挽き淹れる・・これだけでを言葉で言うのではなく生中継して見せようとしたこのアイデア、画期的でした。
手間をかける反面、待たせる時間が多くなってしまうハンデを逆利用。
自販機という機械なのになぜか「あなたのために淹れていますよ」というヒューマンな雰囲気。
しかもご丁寧にそう書いてあります(笑)
このときに流れる「コーヒールンバ」がまた実に印象的で、なんとなくザワザワ以外無音のSAでは、今やこのメロディはちょっとした名物ではないでしょうか。

もっとびっくりするのが、この「
香り口」。
珈琲の命ともいえる香りを「待ち時間」で提供するという素晴らしいアイデア。
「うなぎは匂いで食わす」というのと同様、この香りが販売時に広がるので、販売の対面の人へはもちろん通り過ぎる人にさえアピールできる副次的効果。
鉄の塊が「1 to 1=もてなし感」「見せる=手作り感」「音で引きつける・香りを伝える=ライブ感」を行うこの3つの施策は、無味無臭の自販機から脱却して一歩先に出た瞬間。

このピンはもしかしたら賛否分かれるところ。
ワンタッチの利便性から比べると機能性に劣るピン型の飲み口止めだけれど、むしろちょっとプレミアム感(笑)

ミルで挽いた、一杯ずつ淹れた、それらを差し引いて、というか先入観をちょっと割り引いて飲んでみても・・・
この珈琲はとても美味しく感じます。
今はコンビニ珈琲にしてもそうですけど、珈琲天国ですね。
しかし、重要なのはこの珈琲一杯がもたらすもの、それがこの高速道路では大きな意味があるということです。
この美味しい安らぎでの休息は、その後の運転の安全に大きく寄与しているはず。
カフェインが眠気を覚ますとかいう医学見地は全然分りませんが、
メンタルの面ではこの一杯の安らぎでの、その後の運転へ平静へはきっと大きく寄与していると思うのです。
この「ミル挽き珈琲アドマイヤ」を提供されている「トーヨーベンディング」さんは、「常時四輪ロックシステム」というアイデアを使った介護・病院器具をメインで提供されている企業。
詳しいことは分りませんが、これらの器具、そしてこの「ミル挽き珈琲アドマイヤ」の根底に共通しているのは・・
「おもいやり」なんじゃないでしょうか。
APEX、大手のキーコーヒーさんも同様のベンダーを展開しています。
実質的な売り上げは分りませんれど、際立って目立っているのはやはり「ミル挽き珈琲アドマイヤ」かなー。
マーケティング、マーチャンダイジングはありとあらゆる手法として試され、様々なサービスレベルが展開されています。
この「ミル挽き珈琲アドマイヤ」を見ていると、まだまだ「一歩」抜け出す手法はあるだろうし、けれどその根底がそもそも浅いと、使う手法も最大効果を生まない、そんな気がします。
バリューを生み出すのはやはりミッションとビジョンが確固たるときなのでしょうね。