私がワールドカップを始めて見たのは、件の「ダイアモンドサッカー」でして、やっぱりこの番組を三菱がしつこくしつこくやっていたからこそ、レッズファンがあそこまでサッカーに情熱を燃やすそのベースになったと思います。絶対に無関係じゃないです。
そこで見たあの「
ヨハン・クライフ」とオランダのサッカー、もしあの時オランダがあのサッカーをしなかったら、今のこのサッカーのスタイルは全然違うものののままだったんじゃないかと思えるのです。
作者は絶対に言いませんが、翼君ってあれはヨハン・クライフそのものですよね。構成上ブラジルと結び付けていますが、どう考えても翼君の立ち居地は、ペレでもなければ、マラドーナでもない、ヨハン・クライフです。個人の能力全開ではなく、華麗なるテクニックとともにフィールドの指揮者ですから。
しかしあの大会で私がすごく好きだったのは
ポーランド。この攻撃陣が実に魅力的。もう4トップなんじゃないかと思える超攻撃的な前がかり。
ラトー、ディナ、シャルマッフ、ガドハ。
ガドハが左、ラトーが右。センターFWがシャルマッフ、トップ下がディナという感じでしたか。
国自体消滅してしまいましたけど、3位ですから。3位決定戦ではリベリーノ率いるブラジルをコテンパン。
あ、こんなことしてるとブラジル大会までたどり着けないからあと一人だけ。
ドラガン・ストイコビッチ。
日本であまりにも知られている人。
私は正直この人が来日を果たすなんて全く考えられなかったです。
あの1990年の35度を超える暑いフィレンツェ・ムニチパールスタジアム、実際に底へ行き、目の前でマラドーナと死闘を繰り広げた、あの若き司令塔が。
あの日は本当に暑かった。そして、点が入らなかった。
指揮をするのはそれこそまさか後の日本代表を率いることになるなんて夢にも思わなかったイビチャ・オシム。
試合は前半アルゼンチンが全体的に緩やかに支配。しかしシャバナジョヴィッチの退場で10人になってからはもう死闘。
前半はただ倒れるばかりのマラドーナも、後半は人が変ったように切れのあるパスとターンを連発。相棒のブルチャガもそれに応えるプレー。
一方ストイコビッチも決して絶好調ではなかったといえ、サビチェビッチが入ってからは自由に動き始め、マラドーナとは違う広い展開でフィールドをコンダクト。10人の戦い方はこれだという頭の良さを見せてくれました。
しかし、あの日は暑かった。4時を過ぎても30度を超え、観客席にいるだけでヘトヘトなのに、延長戦では度肝を抜くものすごいドリブルからのスルーパス・正確なクロスで何度も決定的なチャンスを作り出し、その華麗で強靭なプレーは確実に「スターが生まれた」という雰囲気がありました。
結果スコアレスドローとなりPKで敗退。ストイコビッチも失敗した一人(逆を突くもクロスバー直撃)。
PK戦のあと、マラドーナがグランドで肩を落とすストイコビッチに「
泣くな。君は素晴らしい選手だ。未来がある」と言ったいうのも有名な話(マラドーナも実はこの日PKで失敗。しかも完全に読まれていました。)
あの時の活躍はまだ知らなかった「ピクシー」=妖精というニックネームに相応しいものだったと今も強く感じます。
はっきり言ってあの試合ではマラドーナよりもずっと輝いていました。
あの時、たまたま2週間イタリアにいて、初めて直にワールドカップを数試合見ることが出来ましたが、この試合のあのストイコビッチの衝撃はすごく、数年経って日本に来ると聞いたときにはどの選手がJリーグに来る時より興奮を覚えました。
さてさて、予想なんていうものは誰でもできるし、お互い何の責任も持たなくていいのだから、これをやらずにワールドカップを楽しまない手はないでしょうな。
まずはチョー無責任として・・・
グループ突破をする国を勝手に予想。
グループA ブラジル クロアチア
グループB チリ オランダ
グループC コロンビア コートジボアール
グループD ウルグアイ コスタリカ
グループE フランス エクアドル
グループF アルゼンチン ボスニア ヘルツェゴビナ
グループG ドイツ アメリカ
グループH ベルギー ロシア
これ予想したのが6月12日で、こういう大会では必ず番狂わせとか、絶不調とかがあり、そうなるとスペイン、ポルトガルはかなりヤバいんじゃないかと勝手に思いつつも、まさかその通りオランダにコテンパンにあそこまでやられるとは思いませんでした。
となると、当然順当とはいえないような予選突破国もあり、アメリカ、エクアドルなんかやらかしてくれるんじゃないかと楽しみにしています。
日本がない??
そうなんです・・・誰もが自国の予選突破を願わないなんてないのですが・・・
私は今の「グループリーグは突破して当たり前」的な空気は一番ヤバイ感じがします。特にコートジボワールに対して。
サッカーに詳しいとかではなく、日本人としてコートジボワールが地球儀のどこにあるかも分らないのがフツーみたいな感じだと、「なんか勝てるよね」みたいな雰囲気になりガチ。
4年前長友が実際に戦ったコートジボワールを「何も出来なかった・・何もさせてもらえなかった・・その前に戦ったイングランドと比べ物にならなかった。」と言わしめたその戦闘力。
日本が全然ダメなパターンは、体力が上回るスピードについていけない時、そして背の高い国とやるとき。だいたいこのパターンが伝統的に多いと思うんです。
となると、コロンビア、ギリシャ、コートジボワール・・・悪い条件ですねー。
スイスとかベルギー、クロアチアとかイングランドみたいに、何かが圧倒的で、相手を叩き潰すようなパフォーマンスじゃない国とだったらけっこう流れでいっちゃうんでしょうけど、このグループにはいないですし。
FIFAランクなんて目安とはいえ、この4カ国で最下位は日本。
ワールドカップでグループリーグを突破するのは守備力、その後は攻撃力、日本は決して堅守ではないので、突破前提でいえば、大負けをせず引き分けを繰り返した結果からの勝ち点計算でサバイバルして欲しいところです。
この話の前段にあった1990年のアルゼンチンだって、準決勝進出まであのマラドーナがいながら4点しか取れず、けれど1点も与えなかったという堅守で勝ち上がったのもそうでした。
と・・・にわかてきにこういうこと書いてると、サッカー10倍楽しんだ気分です。
いやー、ワールドカップ、楽しいっす!