マーケティング雑感

◆コメダが提供しているのは「時間」だ。それはキャンプ産業も同じ。

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コメダ珈琲が関東圏に進出するというニュースは、会社にいたころにキャッチし、そのときはマーケティングの観点から注目していた。

「ウケないね。ウケる要素がない」という批判的な声が周りを支配していたし、それよりも何もそんな関心すらない、そんな空気感だった。

私自身、コメダのメニュー、つまり名古屋喫茶文化が受け入れられるかどうかには当時注目を置いていなかった。

なにしろ独特のコンセンサスを持つ名古屋文化は大好きだったし、それを近所で味わえるのならまず歓迎という立場。

では何をマーケティングの観点から注目していたのか・・・ちょっとそれは後回しにして・・・






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名物シロノワール。

この名前こそ、まったくをもって独特のコンセンサス。

白黒だからって、「ブランノワール」なんていうオールフランス語は命名しない。

この奇抜な組み合わせに違和感を感じるようでは中京文化は理解できない。

トーストにつぶあんを乗せるのも、スパゲティをあんかけにするのも、なんら疑問を持ってはいけない。

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東西の文化の融合点、日本の中心名古屋は、この異種混合こそ本領発揮。

そこに美学がある。

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フィッシュバーガー。

でかい。

4つに切ってもらった。

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マックで何個バーガーを食べてもお腹いっぱいになる気がしないが、コメダではこれ1個で充分。

名古屋人はケチだ、なんていわれるが、これからみたらマックを生み出したアメリカ人などドケチの極み、ということになる。

むしろ、これで1回の食事になるとする「合理的」な考えであって、おそらくそれがしばしばケチと混同されてしまうのだろう。


それにしてもコメダは今、平日でもごった返している。

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さて、話は飛んで、たまたまコメダの近くにあった、石窯がウリモノの大きなパン屋さん。

やはりこちらも平日なのにごった返している。

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コメダにしろ、このパン屋にしろ、そこにいる「人種」はただ二つだけ。

「ママ友」と「シニア」


たしかに美味しいコーヒーも、デザートも、焼きたてのパンも、ごった返す要因とは言える。

しかしそれらは他でも可能なコンテンツだ。

そうではなく、この二つの店が提供しているものがそもそも違う。


それは・・・「滞留時間」。時間を提供している。

早く帰って欲しいなどと全く考えていない。どれだけ長くいてもらうか、それが勝負だ。

石窯パンでは、購入と同時にカップが配られ、マシーンでセルフで淹れたコーヒーが飲み放題。

そして、パン屋と同じだけの敷地が珈琲を飲む場所として提供されている。

普通の考え方なら、買ったらとっとと帰ってもらえばいいのに、と思う。

勤め人相手ではそれが成り立つ。

「ママ友」と「シニア」はちがう。

そんなせせこましい勤め人とは真逆の、時間をどうやって過ごすかが命題だからだ。

サービスの品質の基準は、時間の提供を受けているかいないかが、一番の判断材料になってくる。

さらには副次的な作用として、滞留時間が長くなればなるほど、どの時間の賑わいも消えない。

混んでる場所に寄ってくるのは人のシンプルな真理だ。

さっさとお客を返し、回転率を上げるのは一見効率を上げているように見えるが、実はどこかの時間に息切れがあり、むしろそれが長かったりする。

それならば、こういうのんべんだらりと客足が途絶えないほうが結果見かけ以上の売りが加算されていく。

だから、コメダにしろ、石窯パンにしろ、都心なんぞは狙わない。

「ママ友」と「シニア」がいる場所に作ればいい。

時間を要求している人たちに寄り添い、商売するのが至極当然だ。


本当を言えばユニクロの急成長を当初下支えしたのも、こういう時間余りの人からだったはず。


冒頭の「ウケないね。ウケる要素がない」と言った人は間違いなくサラリーマンにおぼれてしまった人。

マーケティングというのは自分に置き換えて考えるときもあり、それを捨てて如何に自分以外になりきれるかでも発想と視点が開けるのだと思う。


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ここから先はキャンプとレジャーの話。

翻って、「ママ友」と「シニア」、これはレジャーの業界が一番キャッチできていない対象だ。

その理由はただひとつ。「レジャーは週末」という固定観念によるもの。

レジャーの日本語を良く見ればすぐ分ろうというもの。

レジャー=余暇だ。

つまり、暇な人=時間を使いたい人に場所と空間を提供するのがレジャー産業のやるべき仕事。

だからこそ平日に時間を使える人にその空間を提供すべきで、なおかつ滞留時間の長いサービスを展開する視点をもっていいと思う。

今回の取材で「ママ友」が平日にキャンプ場を利用したがっている声が多くあることも分ったし、

実際それをどうやってサービスフィットをしたらいいのかを考えているところもあった。

ただし、「シニア」に関してはザル状態。

今後増加することが分っているのに全く無策に近い。

また考えていたとして、いつもの週末ばかりで捉えようとしていて、これではインサイトのニーズを掘り起こしたことにはならない。

マーケティングの調査手法にMROCというのがある。

たぶん、キャンプのレジャー産業はどこも実施していないのではないか?

やればおそらくヒントの山だろう。

楽しみを提供するのがレジャーだという時代から、あらゆるアプローチで、余暇=時間を消費させるビジネススタイルのレジャー産業がでてきていいと思う。

だいたいキャンプというのはタイムラインが重要なコンテンツのはず。

モノからコトへ、コトからトキへ。

さてダレがこの先陣をきるのか・・・・。


by sammag | 2014-04-24 00:03 | マーケティング雑感

人生は旅。旅は人生。日々は扉の向こうとこちら側。キャンプ・食・星・日常を綴る、アウトドアライター・キャンプブロガー・星のソムリエ® SAMの人生キャンプブログ


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