
レシピにも書いてある通り、考案者は木村東吉さん。
それを、私がアレンジさせていただいたものです。
先日ノームへカヌー遊びにお伺いした際、改めてこのレシピの本当のオリジナルをお教えいただきました。
「SAMさん、あれ、ちょっと違うんだよねー」
そうなんです、決定的な違いが「ひとつ」あったのです。
ただし、いちおう弁明しておきますと(笑)、私のレシピは「下火」前提で考えました。というのも、私のレシピは案外家庭でも作っていただけており、そのことを意識しながら、どうしてもという場合以外「下火」つまりバーナーオンリーでもできるように工夫しています。
それを踏まえまして、何が違ったか、東吉さんのオリジナルを見ながら検証していきましょう。

私が東吉さんに直接ご馳走していただいた10.4。お仲間とのキャンプディナーの時、全く何もしていないかのごとくダッチオーブンがあり、これが実はチキンマッシュ(この名前は私が勝手に呼んでいるネーミングです)を調理している最中だったのです。
そして重要なのはご覧のとおり「上火」のみ。(写真がブレていてごめんなさい)
しかし、これが決定打ではありません。

完成したものをヘラでつぶすのは同様です。

しかし、私のレシピほどつぶしていません。そしてジャガイモはそもそも丸のまま入っていました。

私のほうは下火のみだと火が全体に通る前に煮詰まるか焦げ付いてしまうので、水を同量足してそれを回避しました。

「実はね、先に鶏肉を炒めてから、なんだよ。」
そう、最初の一手間でその工程があったのです。
しかし、なぜ炒めるのか?
「炒めて鶏の脂を出すでしょ、そうするとじゃがいものでんぷん質と合わさってこの粘りが出るんだよね。」
というワケなんです。
これは慧眼。もう、化学反応の世界(笑)
では、私のレシピの場合も炒めたほうがいいのか・・・
これは、ある意味、その工程を飛ばした功罪があるのです。
つまり、私のレシピは調理工程がほぼ一つ。火にかけて終わり。ワンアクションです。
それと、水を足したおかげもあって、ダッチオーブンの中で蒸し焼き状態が続き、炒めてはいないのですが鶏肉の脱水作業が長く、自然と脂が汗をかいて流れ出す、という仕組みになっているわけです。
それだけに、完成した時の「つぶし」がある程度ないと澱粉質との結合が促進しないともいえます。
なので、よりネットリ感を欲するなら、私のレシピでも鶏を最初に炒めてから、というのはアリですね。
ということで、東吉さんのオリジナルを知ったことで、さらにこの料理の幅が広がりました。
やっぱり、料理って「創造力」と「想像力」が必要なんだなぁ、と改めて教えてもらったような気がします。
以前、茅場町の天ぷらの名店「みかわ」のご主人が、「てんぷらは化学反応みたいなものだ」とおっしゃったのもちょっと思い出しました。

来年もたくさんいろいろなことを学ばせてください!!よろしくお願いいたします!!