さて、この店にはかなり前から気にしていたのだか、なかなかその機会を逸していた。
まず意表を衝かれたのがその店内。とてもゆったりしているのは良しとして、デザインが摩訶不思議だ。自分が今何の店に来ているか判らなくなりそうな感じ。いわゆる世間相場の中華料理店から掛け離れている。お世辞にもセンスがいいとは言えない。
運ばれて来た醤油ラーメンもまた意外だ。チャーシュー麺かと思えるそのすごいでかさ。スープはありとあらゆる工夫がされたであろう複雑にして幻妙な味。家族が同時に頼んだ豚骨はさらにそれに輪をかける。豚骨といっても白濁したものではなく旭川の蜂屋のスープに近い魚介系しょうゆとんこつ。麺もスープに拠って変わる。
まさにジャンクショップを思わせる他に類を見ない店だ。
ただ、ここの店主はふざけてそうしている訳ではないのはラーメンを食してみればたちどころに解る。多分かなり真面目な方だろうと思う。
実に不思議な店だった。しかし何故か同時にあとを引く店でもあった。