・・・やはり時代の流れでしょうか、ここ半年CDを買っていません。そう、音源はみなi-TunesからのDLばかり。そんな中一番最近購入したのが大村憲司「ファーストステップ」。なにしろ1978年リリースなので30年も前のアルバムです。現存が少なくアマゾンでは新品で¥7600もしますが、i-Tunesでは全曲DLしてわずか¥900。試聴するまでもなく即買いです。というのは私が大村憲司の楽曲の中で最も好きな「Left Handed Woman」のオリジナルがここにあるから。
大村憲司といっても大半の方は知らないでしょう。しかしこの人の足跡での絡みは誰もが知っているビッグバンドが二つあります。ひとつはフォークソングでは伝説のグループ「赤い鳥」のギタリストであったこと。赤い鳥といえば誰でも知ってるあの「翼をください」「竹田の子守唄」を世に出したグループ。赤い鳥脱退後は卓越したギタープレイから自身のバンドを率い、70年代後半から80年代に席巻した「フュージョン」「クロスオーバー」の代表的なギタリストとしてしばらく活躍します(私の一番好きな時代)。この時かなり濃密な関係にいたのが坂本龍一(=教授)。
話は変りますがこのフュージョン全盛の名盤中の名盤「GuitarWorkshop」シリーズでもこのコンビがほとんどで、この時の教授のプレイはキレにキレまくって、デイブ・クルーシンもかくやと思わせる日本人離れしたリズムセッションを繰り広げ、その後のテクノ、最近の癒しサウンドへ変わるとは考えられないような激しさで、ある意味これだけでも聞いて損はないと思います。
この二人の関係が復活するのがまさしく伝説の「YMO=イエロー・マジック・オーケストラ」。大成功後の彼らのワールドツアーでのギター担当を大村憲司していました。当初YMOのツアーギタリストはかの渡辺香津美。ところがというか当然というか渡辺香津美のジャジーでフュージョン色が強いプレイはどう考えてもYMOに乗り入れなかったようで、対応力が強い、そして引き出しの広いセッションギタリストの大村憲司が起用されたようです。
大村憲司の別称としてよく「日本のラリー・カールトン」などといわれることもあります。確かにセミアコースティックギター335を多用していたこともあるのでしょう。ソロは別にして、テーマの作り方は確かに共通点がある気がします。もし「Left Handed Woman」がラリーカールトンの曲だといわれたら即信じてしまうでしょう。
さてその「Left Handed Woman」をDLした「ファーストステップ」で聴いたのですが、私が既知であった「GuitarWorkshop」の中で披露されていた抜群の編曲には遠く及ばなかったのは少し残念でした。「GuitarWorkshop」版の進行は、頭にミステリアスな感じのアコースティックギターでテーマがまず始まり、坂本龍一のブチギレエレピソロに続きます。その後多分テレキャスと思われるギターに乗り代わり同テーマがややジャジーな感じで弾かれます。そして一通りソロが入るとその音に突如ディストーションとオーバードライブがかかり、ロックギターに大変身。異常に盛り上がった後にクールダウンのごとくまたアコースティックに戻りミステリアスな雰囲気のまま終わっていきます。私は日本のフュージョンミュージックを今をもって追いかけていますが、このときのプレイ以上に「格好いい」のを他に聴いたことがありません。ちょっと例えが大げさかもしれませんが「レイラ」くらいすばらしい編曲です。タイトルの「左利きの女」というイメージがまた抜群に合っています。
しかし残念なことに大村憲司は今や帰らぬ人。98年肝臓癌で他界。私の大のお気に入り、森園勝敏、松原正樹など同時代の人がいまだ活躍していることを考えると実に残念でなりません。
以下に紹介するLeft Handed Womanの動画はなんと大村憲司の実の息子、大村真司のトリビュートプレイです。バックを見ると浜口 茂外也など当時大村憲司を支えたミュージシャンのそうそうたる顔ぶれです。キーボードは大村憲司と最も仲がよかった大貫妙子(山下達郎と共に当時のジャパニーズポップスを支えた人)ではないかと・・。お父さんのプレイには遠く及ばないヘタクソですが、尊敬する父に捧げる熱い演奏はけっこうグッときました。オリジナルには近いアレンジです。
■Left-Handed Woman / Kenji Omura Tribute Live
■LEFT-HANDED WOMAN
※こちらは2枚目のアルバムKENJI SHOCKでのオリジナルプレイ。ホーンセクションが入ったバージョン。私的にはGuitarWorkshop版に比べたら60点くらいかな・・。でもメロはやっぱり格好いい。(とはいいながらこのアルバムのプロデューサーはあのハーヴィー・メイソン!!=のちにカシオペアをメジャーに押し上げたプロデューサーでもあり名ドラマー。グラミー賞も取っている)
どうです・・・たまには真面目に書くこともあるでしょ(笑)
YMO、懐かしいです。あのテクノカットにはあこがれました(実際は田舎に住んでいてそういうことをしてくれるヘアサロンがなかった)
テクノポリス最高によかったです。
YouTube見ました。
いい曲で迫力あります。
年代的に今回のような話しは大ヒットです。
次回は是非!古井戸、佐藤公彦、六文銭をお願い致します。
竹田の子守唄も懐かしいですね(往時は知らないのですがこれも音楽の授業で聴いたような気がします)
ベックとか。カシオペア、Tスクエアも好きです。
大村憲司さんの名前はよく聞きましたが実際のプレイを知らなかったので初めて聴くとすごく新鮮。
これが30年近く前のサウンドなのかとは思えないほどです。
フュージョン自体アナログ全盛期の時代であっても録音が良いものが多いのが特徴だと思います。ハイファイサウンドのチェックディスクとしても欠かせない音源の一つはフュージョンだと思います。
現在のフュージョンだですと私はノーマンブラウンが好きです。このミュージシャンのアルバムは、どれをチョイスしてもかなりハイファイサウンドです。オーディオチェックディスクとして私には欠かせないものとなっています。
カウンターも130万突破していますよ。
本当にすごいです。
今日の話題は一番分からないところです(笑)
ただ、お父さんの遺志を継いだ息子さん、すばらしいですね。
尊敬されている父親像に感動しました。
じつは私、今から12年前会社に入って一週間だけ東京の寮にいたんですが、すぐ見に行ったライブが大村憲司でした。
行った場所はこれまた今はなき PIT INN。
よかったですよー。
当時20代前半でしたのでそんなのは私くらいしかいなかった気がしますが。。
しかしお亡くなりになってたんですね。
98年ということは私が見たのが97年ですからもしかしてラストライブだったのかもしれません。
たしか・・・ドラムがポンタだったような。
思いがけぬネタで個人的に大満足です。
まさに高校から大学の頃リアルタイムで聞いていた曲や人たちです
学校や部活の合宿には必ず誰かがギター持ってきて、赤い鳥の曲などみんなで唄ったものです
ギターといえば主人の専門分野(?)ですが・・・ちょっとジャンルが違うようでライブとかは見たこと無いようです
しかしSAMさん沼が多いですね~五色では納まりませんね
年代的にはカシオペアでしょうね~。私が好きなのは「アサヤケ」とミッドナイトランデブーです。
大貫妙子と矢野顕子はよく間違えられますね(笑)
全然タイプが違いますけど同時代の方です。
でももし矢野顕子だったら・・・坂本龍一の奥さんですから・・・運命。
なるほど!そうそう、当時のハイファイ。私も38ツートラ持って銀座の東芝セブンに公開録音とかに行きましたよ!
現在のフュージョンを実はよく知らないのです。
どうしてもこの時代のアーティストの現在アルバムを買うとかしちゃって。
和田アキラとか。
ピットイン!!!!!!
それはすごい!
実は私もそのGuitarWorkshopのライブをピットインで見た歴史の生き証人(笑)の一人です。
あれほど痺れたことはありませんでした。
もちろん全曲ポンタさん。
ちなみにポンタさんとは仕事を一緒にしたことがあります(笑)
私は逆にワールドツアーのYMOをほとんど聞いたことがないのが残念です。どんなプレイを大村憲司がしていたのか気になります。