SAMの雑話・雑感

【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ


【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ_b0008655_00095789.jpg

コロンビア戦の大勝利で湧く日本代表


次戦セネガルを経て一次予選最後の相手がポーランド。


多分日本の多くの方は「コロンビアからしたらポーランドなんて・・

という印象があるでしょう。

いや、印象すらないか(笑)


しかし、そんなことはよそに、

私が、過去見てきた全てのWカップで最も好きなチームこそポーランドです。

ただし、1974年西ドイツ大会のチームのこと。


もう、魅力的な選手ばかりで、またそのサッカーが面白かった。

スピードで言ったら大会ナンバー1だったし、破壊力もおそらくナンバー1、それだけでなく守備も含めたチームバランスも優れ、まさにこの大会の台風の目でした。

ベッケンバウアー率いる最強の西ドイツイレブン、ヨハン・クライフ率いるサッカーの歴史を変えたあの伝説のチームに次ぐ大会3位ですからね。ただの3位とはわけが違います。

つまり古豪ではあるけれどサッカーにおける実績は、日本など足元にも及ばない国なのです。

だいたい現在もFIFAランキングはコロンビア以上の一桁8位ですからね。





【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ_b0008655_00330501.jpg

グジェゴシ・ラトー


右ウイングの快速FW。7得点で得点王獲得。代表通算45得点、レバンドフスキに次ぐポーランド代表2位。

右サイドの上りからのシュートは強烈、あのスピードは過去のすべてのプレイヤーの中でも最速じゃないですかね。

また若いのに禿げたオデコが強烈(笑)

クライフのような万能プレイヤーではなく一本調子と言えば一本調子でしたが、まぁラトーを止める者がいないその瞬発力の輝きはオデコ以上。

今どこを見ても「ハゲ」の選手はいませんので、ある意味サッカー史上サイコーのピッカリプレイヤーです。

ほんと、いい選手でした。




【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ_b0008655_00500635.jpg

ロベルト・ガドハ


ロベルトといったら一般的には「ロベルト・バッジョ」なんですけど、私はまちがいなくガトハです。

ラトーと逆サイドの左ウィング

スピードのラトーとはちょっとタイプが違う技巧派のドリブラー

日本代表の乾と長友を掛け合わせたような存在でした。

あの「エース殺し」と言われたベルティ・フォクツを何度も置き去りにしてましたからね。

これまたオデコが広く、たまに試合中ラトーと区別がつきにくいことが何度もありました(笑)

私的にはその当時はガドハの方が好きだったかも。





【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ_b0008655_00564966.jpg


アンジェイ・シャルマッフ


当時はワントップとかではなく、フォワードはたいてい3トップで、必ずセンターフォワードがいました。

ポーランドのCFはこのシャルマッフ。

試合全体で活躍するというよりもここ一番の決定力があり、結果ラトーに次ぐ5得点を挙げています。

何しろ両ウィングが大会最強なので、真ん中で待っていればいいだけ。

両ウィングがオデコ、このシャルマッフは長髪というその組み合わせもよかった(笑)

センターフォワードらしいセンターフォワードでした。



とにかくこの3人の攻撃力は大会屈指であり、もしかしたら「3トップ」という定義ならサッカー史上最強じゃないかと思うのです。


そういうこともあってポーランドのサッカーは今もサイド攻撃は得意ですし、レバンドフスキはやはりCFタイプです。





【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ_b0008655_01114528.jpg


ガジミエシュ・ディナ


テクニシャンでゲームメーカー。フリーキックも芸術的。

前3人の容姿からみたら対照的なイケメン

元々はフォワードで、本来のエース ルバンスキが怪我のためのゲームメーカーに。

ちょうど柴崎のように中盤からじゃんじゃんロングパスを出し、そこには必ず3トップがいるのだからこりゃ相手は敵いません。強かったイタリアはディナ一人にやられたと言っていいくらいでした。


このディナはラトー、ガドハとともに大会ベストイレブンに選ばれ、なんとあの西ドイツ、オランダからは2人なので、3人も選ばれたポーランドがいかにすごかったかが分かります。





【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ_b0008655_01300275.jpg

ヤン・トマシェフスキ


長身のGK。

西ドイツ大会は実にいいキーパーが多く、マイヤー、ヘルストレムと並んで大活躍しました。

なにしろよくPKを止めてました。

イングランド戦がすさまじかったですね。当然誰もがイングランドが勝ち上がると思っていたので完全にトマシェフスキにやられた感がありました。




【最強のポーランド】1974年 西ドイツ大会 ~ラトー、ガドハ、シャルマッフ、ディナ_b0008655_01360418.jpg


この他、ゴルゴン、ズムダのバックスも強力だったし、シマノフスキも効いていたし、カスペルチャクもいい仕事をしていました。


オランダの見せたトータルフットボールがこの世に出た大会なので、ポーランドのようなウィングがいる旧式フォーメンションはその後なくなっていきます。


ただ今のポーランド代表ではレバンドフスキへは明らかにCFだし、両サイドのセンタリングは多いのでその伝統は今もどこか引き継いでいるようです。




セネガルには敗れたものの、ゴール前にドカンと入れるあの攻撃は日本が一番弱いパターン。それに一人一人の運動量も多いし、身体も強い。


決してポーランドは弱かったというより、セネガルが強すぎたという感じでしたね。



セネガルのものすごい歩幅のスピードの攻撃とチェイス、さらにあのモダンな組織サッカーをまた展開されたとしたら・・

これは日本代表としては相当この先の2戦は厳しいでしょうね。



今日のセネガルを見ると日本のモロ苦手なタイプ。

ポーランドだって次戦コロンビアで連敗しても、意気消沈するとは思えないですし。


おそらく日本のマスコミ論調は「これで予選突破だ!」とか騒ぐでしょうが、

現実は厳しいものになるんじゃやないかと思ってます。



しかし、74年から随分と時を経て、ポーランドと日本代表がワールドカップで対戦するなんて感慨ひとしおです。





by sammag | 2018-06-20 02:25 | SAMの雑話・雑感 | Trackback | Comments(0)

人生は旅。旅は人生。日々は扉の向こうとこちら側。キャンプ・食・星・日常を綴る、アウトドアライター・キャンプブロガー・JACインストラクター/講師・温泉ソムリエマスター/温泉健康指導士・星のソムリエ® ・exite公式プラチナブロガー SAMの人生キャンプブログ


by SAM