UNIFLAME = ユニフレーム、2017年登場予定の新製品レポートです。
昨年の新製品展示会レポートをすっ飛ばしてしまい大変反省をし、今回は間をおかずにここに記してご紹介をしたいと思います。
まずは「REVOハンマー」
ハンマーが新製品とは思いませんでした。これにはやられた感じ。
そう、ユニフレームさんで、販売を前提としたオリジナルハンマーがあったのは記憶にありません。
思うに、昨年リリースされていたステンレスペグを受けてになると思います。
こういう「製品開発連鎖」をしっかりやっているのは、今、ユニフレームさんとSOTOさんではないかなと思います。
さて、このREVOハンマー、実は逆転発想から生まれています。
それは「帰り支度」で力を発揮するハンマー。
このハンマー、ある意味ペグを打ち込むという部分だけでは大きなアドバンテージがあるわけではありません。
最大の特徴は後部のデザイン。
この写真でもそうですが、地面で自立するくらいのトップを支点にし、そしてこのカーブ形状でスムーズなテコの原理として、緩やかにペグを「引き抜く」仕組み。
「引っこ抜く」ではなく、「引き抜く」。
話は横に飛びますが、ペグを「引っこ抜く」のは本当にやめましょう。
私は知っています。引っこ抜いたペグが空を飛び、それがどういう結果を生んだかを。
今非常に頑強なペグが主流ですが、それを飛ばしたらモノへもヒトへも「凶器」です。
これだけ需要のある頑強なペグが何故に最初からテントに付いていないのか、それが暗黙の答えです。
このハンマーが云々ではなく常にどのペグであれ細心の注意で「引き抜く」ようにお願いします。
そして、絶対に子供にペグ抜きをさせないでください。ペグ打ちはやらせてみる価値のあることですが、ペグ抜きを失敗したら惨劇になることもあります。
もちろんみなさんはそういうご注意をされていらっしゃるでしょうが、いい機会なので念のため。
話を戻しましょう。
引き抜いた後、ペグが曲がることはよくあります。それを補正するのに役立てるための孔が備わってます。
こういうことに気を回してくれるのが実に「らしい」ですね。
この溝は・・・なんと付着した土を削ぎ落とすための機能(笑)。
ま、ま、これはやる人、やらない人いますし、このくらいのちょっとした「おせっかい」仕様はこのメーカーの伝統ですから(笑)
あるんですよ、他の過去のアイテムにもたくさん(笑)
そこがまたユニフレーム製品のちょっとした可愛らしさで。
グリップは小ぶりながら握りやすかったですね。
このアイテムは私個人も来年出たらすぐ買おうと思ってます。
続いて、「クッカースタンド450」
出ました!!!
ユニフレームの伝統のお家芸、「大中小攻撃」!!!!(笑)
必ず「中」を先に出し、そして「ロング or ラージ 」になり、最後は「ミニ」になるという3段活用(笑)
稀に・・・そのレア3段活用もあり、「中」→「小」→「大」の場合もあります(笑)
あの名品「ユニセラ」はその代表です。
あ、長くなるんだろうなぁと思ったら長くなったし、あ、短くなるんだろうなぁと思ったら短くなりました(笑)
これは先のモデルとしてある「クッカースタンド」より10cmくらい長いものです。
この450は前提としてシングルバーナー3連と・・・
10インチダッチが2台並ぶ大きさ。
分散耐加重で20kgですからクッキングもの以外でも使えそう。
このアイテムは金属アイテムが得意のユニフレームとしての真骨頂でもありますが、一方でいろいろなとことから後追いもたくさん出ていますね。
でも、品質の差が出やすいものですから実物で他社と比べてみるといいと思いますよ。
「ジュラパワーペグ200」
すでに発売されていたステンレスの「パワーペグSUS」が私の回りでも評判で、何気にツウウケしていました。
「これ、けっこういいよね」と。
私もすこしずつ増えてだいぶお世話になりました。
最大の特徴はこの平打ち加工。
すでに焼き入れで強度アップを図りながら、平打ち=全体プレスで強度をさらに高めるという手法。
もちろんまだ使ったわけではありませんが、パワーペグSUSの感触がよかったのでこれには期待したいですね。
この曲げ加工はパワーペグSUS同様に、力のズレがなく中心軸に伝えるためのもの。
きわめて細かい芸当です。
「フィールドラック ブラック」
フィールドラック自体はもう何年になるんですかね・・・私が第1世代で使ったのがもう10年前以上じゃないかなぁ。
ものすごいロングセラーだと思いますよ。
このブラックはカチオン塗装。
カチオンできましたか!
カチオンといえばクルマのメッキでおなじみの電着塗装。
抱き合わせ?(笑)で登場したのが「コンプレッションベルト1300」。
なんとこれで4段重ねのフィールドラックを括り付けて連結してしまうという。
この4段を片手で持てました。
で、収納時もこれでまとめてしまおうということになります。
「キッチンスタンド センターラック」
このキッチンスタンド本体は私のファミリーキャンプの初期から使ってますから、考えてみれば異様なまでのロングセラーです。
そして今をもって需要が変わらないというのです。
素材やオプションの強化はされているとはいえ基本設計は全く一緒。
つまりこの新しいオプションを、15年前にキッチンテーブルを購入した私が使えるということです。
なんにもユニフレームさんはアピールしてませんけど、これはさりげなくすごいことじゃないですか。
上の写真ではわかりにくかったかもしれませんが、これです。
最初の方にも言ったここにも「おせっかい」が(笑)。
小物をひっかけるパイプが前後にあります。
おせっかいは失礼だな。細かい気づかいでした(笑)。
「チャコスタⅡ ラージ」
またまた出ました!!!
大中小攻撃!!(笑)しかも最後にラージになるレアバージョン(笑)
今は品番落ちしているのかな?チャコスタミニというもの当然あります。私も使ってます。
「中」は初期から使っているので、このラージを使ったら、チャコスタ大三元です(笑)
冗談はこのくらいにしておいて・・・
そもそもレギュラーサイズでも炭熾しには充分な大きさではあったのですが、やはりここにきてのグループキャンプ化、それに炭だけではなく「薪」の火付け前提が当たり前になった昨今での容量アップということになるでしょうね。
特に説明もありませんでしたが(笑)、このDPはそれを言わんとしているのでしょう。
そして忘れてはいけないのがこのエンボス加工です。
もっとメーカーとして言えばいいのになぁと思うのに全く触れないのが奥ゆかしい(笑)
類似が横行する中、このエンボスは格=強度が一つ以上違う証し。
これは絶対の自信があるそうです。
さらにはこのための金属の手配量が膨大なるロットです。それだけの量を手配し、それだけの数を作り、それだけの販売が出来ている。
大中小と冗談で揶揄しましたが、実際のところそれはロングテール商品、安定的需要の定番化をしなければできないこととの裏返しのはずです。
「キャンプグローブ レディース」
赤くて短いからレディースという名前が付いていますが、実際はショートタイプといっていいでしょう。
これもある意味大中小攻撃かな(笑)
右が従来のキャンプグローブ。
レディースを装着してみたら、指が入らないという感覚はありませんでした。
個人的にはショートタイプが好みなだし、赤も好きだし、これはいいと思います。
「薪グリル ラージ」
昨年見事にヒットした薪グリル。
魅力的でしたからね。
リリースされて誰もがそうなると思っていた通りでした。
そして・・2017年にラージが出ると・・ね(笑)、そうなりますよね。
とはいえ、ただ大きくなったというではなく、10インチダッチオーブンが2台乗る設計となっています。
こういうことですね。
何気によく見ると・・・やはり美しい金属加工がされています。
五徳は上中下の3段階で設置可能。
「薪グリル ブリッジ」
薪グリル自体BBQグリルではなかったので、それに補助するオプションの焼き網です。
そして・・・幅の設計がユニセラと同じなので、ユニセラ鉄板をセットすることも可能。
最初にも書きましたが、こういう商品開発連鎖ができるのは、ロングセラー商品をいくつも持続させていられる故。
「fan バケツ」
3つの使い道があります。
まずは名品「fan5」の収納ケースに。
これ・・15年前に欲しかったな(笑) とにかくfan5は毎回のキャンプで絶対に使っていたもので、家族でのキャンプにおいては稼働率100%。
※実際には違った発想のケースがあり、それは使っています。
fan5こそ、以前CAMP HACKで取材を受けた「これがなければ始まらない!」のアイテムにしてもよかったくらい。
そしてバケツに。
最近、食器をだいたい拭いて、洗い物は自宅でという方も多く(実は私も結構それ)、その際に役立てるよう、この巾着式の絞りになっています。
ささいもないことかもしれませんが、キャンプのタイムテーブルを熟知し、その中からのニーズに応えるという地道な製品開発でしょう。
コンセプトやスタイルという遠いものをもてはやかすのもちろんいいのですが、こういう細かい近視眼的なことを拾っていくのも実は真のマーケティングといえるのかもしれません。
開発者曰く、奥さんから「世の中、〇〇ーピー〇、〇〇ーピー〇、って、あなたの会社は大丈夫なの??」と言われたということで、メーカー健在を示すためにこのステッカーが作られたそうです(笑)(笑)
とはいえ、確か以前にもこの大きさのがありましたよね。
今回は耐候性の高い3Mスコッチカルにグレードアップ。
新企画は以上です。
ここから先は展示会企画商品。
全てのお店で展開さえるわけではなく、一部のお店で販売されたり、今季限定であったりのものたちになります。
「UL-Xのガンメタカラー」
「ファイアスタンド Ⅱ」
これも名品ですね。
モノラルよりもずっと以前から親しまれていました。
私のクルマにもずっと載っています。
「REVOタープ L メッシュウォールセット」
「ソラツアー」のグリーンカラー。
「ユニツアー3」
いまさらながらだけどこれ、来年手に入れようかな。。。
ソロキャンプでもこういう広さがほしくなってきました。
これだけの前室があれば自転車でも望遠鏡でも置けるし。
製品の情報は以上です。
展示会前に少しの時間、山後社長、事業部長の田瀬さんとお話をさせていただきました。
お話をしたというより、こちらの体調などをむしろ心配されてしまう時間でもありましたが(笑)
私がその会話の中で思ったのは・・
ユニフレームはまるで自宅の「キッチンの戸棚」のような存在になったのではないか、と。
派手な表舞台にはいないかもしれないけど、でも、いつも必要とされる存在。
そこに信頼できる「道具」がいつもある安心感。
「価格、品質、そしてデリバリー。これが今一番大切にしていることです」
ここでいう価格というのは、品質を向上させて価格を抑えるという意味。
以前のように新製品を山のように出さなくなったのはそのため。
「作るべきもの」を絞って、安定的に需要と供給のバランスを保ち、その長いライフサイクルでどんどん品質が上がる。
価格も安定する、会社的な利益も安定する、製造の経験がどんどん上がる。無体系の製品企画にならず、開発の連鎖を続けて元の商品に厚みをも持たせる。
年を重ねる毎に増していく「ロングテール」商品。
それも1年2年ではなく、5年10年という果てしないロングテール。
大きなホームランはないけれど、常に高打率。
ヒットを果てしなく重ねるイチローのよう。
「カッコイイこともしたいけど・・・できないから。コンセプト作りとか、マーケティングとか。
それよりも価格を抑えて品質を上げて、デリバリーをしっかり組むことのが今は大切。
いや、ほんと、それしかできないのね。」
今、各企業の不振の根幹はこの「愚直さ」を失ってしまったからかもしれません。
むやみな妄想を追いかける時代は終わり、愚直に一番近いところを見て、そして自らの本来の役割を追及する、それが支持される時代になったのかも。
「箱の統一感とか、色の統一感とかやってない。それでコストは上がってしまっても・・・
でも、そういう売り場のゴチャゴチャ感って、かえっていいんじゃないかな、って。」
確かに派手な展示会じゃありません。
コンセプトゾーンとかもありません。
見ればDPになっているのは長年売れ続けたもの、改良に改良を重ねたもの、それがメインステージ。
なにも説明がないし、言ってしまえば普通に陳列されているだけ。
装飾品の類も一切なし。
物言わぬのに、しかしそれらがとても「雄弁」なのです。
確固たる自信として。
今回のレポートでは比較的よい方向の話でまとまっていますが、ユニフレームが完璧なメーカーであるわけではありません。
上記にいくつかの会話の一部を記した通り、自社の欠点をよく理解されており、得手不得手の自覚も十分されています。
ただ数年前と違うのは、遠い先のことを見過ぎず、今年、そして来年という近い時間で何をどうすかについてを集中して真面目に考えられるようになったなぁと感じます。
そしてよーく見ると・・・多くの商品が「炎」回りのものにどんどん集約されていっています。
これは多分メーカーとして自分たちでは気が付いていないんじゃないでしょうか。
「UNIFLAME」
ユニークとフレーム(炎)を組み合わせた造語。
ユニーククロージングのユニクロよりも前に作られていた造語。
ユニークな炎回りの商品創り。
ユニフレームは、全然意識もせず原点回帰していっているのかもしれません。
愚直に、真面目に。
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