☆キャンプ

◆繰り返してはならない悲しきキャンプの事故 ~ウエルキャンプ西丹沢の教訓

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毎年、毎年、夏にこの話題をブログに書かなければならないのは実に悲しむべきことです。繰り返してはならないはずなのに、また起こってしまった憂うべきアウトドアの、キャンプの事故。

8月1日夜、神奈川県山北町「ウェルキャンプ西丹沢」で痛ましい事故が発生しました。

概要を申し上げますと、増水した川に車が流され、乗っていた家族4人のうち運転をしていたご主人以外濁流に飲み込まれ遺体で発見されたという、尊い3人の命が失われてしまった本当に悲しむべき事故です。





そもそもなぜに川に流されてしまったかというと、この方たちが泊まった場所に由来しています。

私も訪れたことがあるので覚えていますが、ウエルキャンプには「アドベンチャーゾーン」というものがあり、これが四駆専用サイトとしてかなり昔から評判をとっていました。

四駆専用というのは、四駆で川を渡るといういわばアトラクションがあるからです。とはいえ水位はおそらく10センチ程度で、SUVの最低地上高ならたいてい20センチなので余裕で渡れるわけです。

その場所は大して大きくはなく裏側が山で小さな島か中州のようなスチュエーション。

そして、この日夕方に降り出した雨は急速で大雨となり、危険を感じて家族を連れて車に乗って退避をしたところ、川を渡っている最中に停止してしまい、そのまま鉄砲水に流され横転、車からは運転手だけが自力で岸へ難を逃れたものの、おそらく意識を失っていたであろう残りの3人は抜け出すことが出来ず不幸にもそのまま流されてしまったということのようです。

6時半頃から降り出した雨は8時頃には51ミリを観測。近辺では6時頃16センチだった水位もこの頃には85センチ、つまり5倍もの水位に達する状況になっていたようです。

ここで考えられる事故を未然に防げなかった要因は二つあります。

ひとつは、大雨の状況を異変と察知できずキャンプを続けてしまった家族の判断。

もうひとつは、この異変から早めに非難をさせる行為を怠ったキャンプ場の管理能力の意識の低さ。

報道によれば、事故の直前にご主人はキャンプ場売店買い物に行っており、そのときに売店の従業員から「危ないので避難した方がいい」と言われたのだそうです。

ここからは報道からの単なる推測ですが、これだけの大雨の中、売店に買い物をしにいったというのは全く危険をこのときは感じていないと思われますし、またキャンプ場もたまたま現れたキャンパーに避難を勧めただけであって、自らが率先して避難誘導をしなかったということです。

そして重い腰を上げたときには車では到底渡りきれない状況下であるにもかかわらず、「車なら大丈夫だろう」という甘い判断で自ら濁流に飛び込んでいってしまったのでしょう。

そしてそのような水位の状況でありながらキャンプ場内の危険地域を放置していたからこそ、無理をして川を渡ることを許してしまった、そういうことだと思うのです。

簡単にはいえませんが、まさにキャンパー自身の自殺行為と、キャンプ場の人為的な管理能力の欠乏が、同時複合的に招いた悲惨な事故であったのではないかと思います。

当たり前ですがそれそれの判断が早ければ未然に防げた事故です。また、余りにも急激な天候要因であったとしても、落雷や突風のように数秒で起こったことでなく、数分間の猶予は必ずあったはずなのです。

「一定の雨量を超えると退避を勧告するマニュアルがあるが今回は想定外の規模」とキャンプ場。

「想定外」というのはマニュアルに従うことなくマニュアル以上の迅速な判断をすべきときであって、「マニュアルに無いから」などということが正当化できるわけがありません。

このアドベンチャーゾーンはキャンプ場が造成した人口の地。このゾーンを作ったがゆえに川に蛇行が起こり、それが水位を急速に上げてしまう要因にもなっていたはず。


私は、自らの著書でも主張したとおり、キャンプ場は人が創った場所であり、自然そのものではない、と言っています。

しかしそれは、自然を最大限活かして創った場所のことであり、自然との共生との中に生み出した人工美を肯定するものであって、自然に逆らいそれがキャンパーの危険の呼び水になっている造成を指しているのではありません。

そして無料のキャンプ場と有料のキャンプ場の大きな違いは、設備への費用だけではなく、キャンパーの安全と安心を導くための、いわば保険料が含まれていると思っています。

それは有料レジャー施設では当たり前のことであって、例えばディズニーランドの保守・保安にかけられている費用だって莫大なものであり、それがチケット代の大きなコスト割合であって当然です。

逆にいえば、施設側がその意識無くただ料金を取ることに馴れ合いになって、それに伴う責任が希薄になっていたら、このような惨事へつながる確率が高くなってしまうでしょう。

最後に、昨年の夏に書いた「◆夏休み!安全・安心を確保して楽しい思い出を!」を一部をかいつまんで以下に記させていただきます。

ここ数年の気象の変化は、もう「マニュアル」では確かに対応できない域にもなっていますが、マニュアル的なことであっても、それを事前多少なりとも意識していれば、急変が起こりつつある状況下で、マニュアルを乗り越えた直感的な優先判断が出来ていくはずです。

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さて、海山のシーズンですから、キャンプも真っ盛り。でも、毎年この期間に数件の悲しい事故が報道されたりしています。

けっして野外だからというわけではありませんが、普段の生活にない状況ではちょっとした気の緩みも起こりがち。特に管理のかなりの部分を自分で行うキャンプにおいては、リラックスした時間を過ごしながらも、要所要所はきっちりと気を引き締めて、楽しい思い出だけを残したいものです。

私がいまさら声を大にして言うまでもありませんが、経験上、体験上、以下の点は時に気をつけていただければと思います。


①天候

夏は特に天候の変化が起こりがち。これが過去の大きな事故や被害の大元になっています。このときの事故を未然に防ぐ方法は一つしかありません。

それは、「早めの判断」です。

数秒の判断を求められる状況とちがい、天候は必ず予兆があります。この時点の早めの判断は事故の確率を大幅に下げることが出来ます。
大雨、洪水(川の増水)、強風、土砂崩れ・・・
その時々の方法は異なると思いますが、一番のポイントは「犠牲の優先を人命・人身に置かない」です。

予兆を感じたら、

「楽しいからいいや」「面倒」「もったない」 < 「人命・安全」

に機軸をおいて行動するのはゴールデンルール。

キャンプの機材を守りたいとなるのは人情ですが、危険の度合いがかなり上がったらそれよりも管理棟などキャンプ場の中で比較的安全な場所に一時的に避難することが絶対に優先
一夜城のキャンプサイトはどんなに高スペックのものでも最後まで悪天候に耐える保証はなく、しかも崩壊するときは一瞬で、極めて危険です。「これは状況が悪い」、その判断を感じたらより強固な場所に遠慮せず退避しましょう。

川の増水もあっという間です。自分の居る場所が一見穏やかでも上流が悪天候なら、雨がないのに川だけが一気に濁流になることもあります。
日本は川の高低差が世界一。だから実はどこもが急流なんです。川の事故の原因はこれです。あの忌々しい玄倉川の事故を忘れてはなりません。

何も現地だけの話ではなく予約時も同じで、台風が接近しているのに「キャンセル料がもったない」などというのにも共通項です。
そんな無理なことをしても本当の楽しい思い出は買えません。(最近はキャンプ場さんからキャンセルしてくださいといわれるようにもなりました。これはありがたいことです)

これもある意味「早めの判断」だと思います。


②健康

これ、どんな場合でも優先されることですが、スチュエーションの変化は普段健康に自信がある方でもなんらかで影響が必ずあります。

体調の変化を感じたら、遠慮なく身体を休めましょう。

また夏ではいろいろな意味で食事と水も引きがねになりますし、キャンプ道具には「常備薬」を必ず加える、この習慣が欲しいですね。

そして、管理されているキャンプ場に来ているなら、遠慮なくキャンプ場に相談しましょう。このケアはキャンプ場の料金に含まれているのです。

で、私が強く言いたい、いや自分でもものすごく気をつけているのは、帰路の運転です。相当にたまった疲れとともに長距離を運転するので、睡魔、さらには判断の遅れなど、行きの運転よりかなり条件が悪くなっています。

終わりよければ全てよし、楽しい思い出を作ってきたのに帰路で重大な事故を起こしてしまっては・・・

あ、疲労回復といって帰りに温泉に入ることが多いと思いますが、これは逆に湯あたりや血圧の上下などがありますので、休憩を十分にした後運転再開しましょうね。

それと、免許をお持ちで運転経験の豊富なパートナーがいっしょだったら、ヘルプを時折求めながらもいいと思います。


③思わぬ・・・

7/27、こんな活動があったそうです。

・日光警察ホームページより(一部を転載)

日光警察署長、交番勤務員4名が集まり、管内の菖浦ヶ浜キャンプ場において利用者に対し中禅寺湖での水難事故防止、盗難防止等の広報活動を実施した。

言い方は硬いですが、実際にはキャンペーンのようにサイトを回り、これらの防止に関するパンフレットを渡したりされて、ソフトに啓蒙されたそうです。

そう、盗難です。

これはもうどこにおいても自己責任ですが、私個人も、私の友人も経験しています。はっきり言ってしまえば全てむき出しの状況ですから完全防止をするのは無理です。

なので、基本性善説ではありますが、金銭は当然、自分にとって貴重なキャンプ道具(ランタンなど)はある程度ケアしなければなりませんね。少なくとも就寝のとき。クルマの鍵もやはり閉めましょう。

アウトドアの唯一の金庫はクルマ

そして就寝の際気をつけなければならないのは、食べ物の放置。

やられます!動物&カラス!

特にカラスはキャンプ場こそ絶好の活動場所と、相当増えています。有名キャンプ場ほど。むき出しの食材だけではなく、袋に入ったお菓子でさえやられます。ゴミ袋なんて格好の獲物。

これらもクルマ、もしくはテントの前室などひと気がある保管場所が有効でしょうか。

そうそう、スクリーン(タープ)だから閉めれば大丈夫と思いがちですが・・

スクリーンはやられますよ!スクリーンに穴を開けるなんてあのくちばしではカンタンですから!夜明けの頃のカラスの行動は仲間でやりますから特に気をつけないと。

人体へのキケンな部分ではないかもしれませんが、やられてしまうと精神的のかなりダメージが・・

なので、安心の担保として。



レジャーは安全が絶対条件!

キケンを伴うことにレジャーなし!

レジャーとプレジャー(愉しみ)は1字違い!

家族の笑顔、楽しい思い出は、安全と安心のプラットフォームを築いてこそ!

では、夏のレジャーを存分に満喫されてください!!


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多くの方にこの記事をご覧いただいておりますので、2016年に追記をいたします。

上記をまとめたものを「LANTERN」に公開させていただきました。

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夏のキャンプ場8つのリスクと対策~キャンプをもっと楽しくするために~

こちらもぜひともご参考にされてください。




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Commented by タイチ at 2014-08-03 00:47 x
同感デス
Commented by ぶる at 2014-08-03 07:24 x
そのキャンプ場は、この事故の責任も感じず昨日も通常営業していたそうです。
4駆専用アドベンチャーゾーン?と言われていても、人工的に作ったサイトなら、管理者責任をといたい!
雨が降ってきてらサイトから移動するよう誘導程度はするのが、義務ではないか…………

毎年残念な事故が起こってしまいます。


お久しぶりです。
by sammag | 2014-08-03 00:03 | ☆キャンプ | Trackback | Comments(2)

ソトコト(OUT)もナカコトも(IN)も、まずは扉(Doors)を開けて!アウトドアライター・キャンプブロガーSAMのキャンプブログ


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